押し入れから出て来たストラトその8

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 さあ!いよいよ完成篇ですよ〜 (^○^) 

 まずは、ブリッジとピックガードを止めるネジ穴の、合わないところを埋めます。使うのは、上のエポキシ系の接着剤です。ザグリを埋めるのにもエポキシのパテを使いましたが、パテでは粘度が高いので、小さい穴埋めには、液状の接着剤を使います。

 上の様に2液をまぜまぜしたら・・・

 ネジ穴に流し込みます。

 空気が入らない様に注意です。深い穴の時は2回に分けましょう。

 上は、ピックガードの止め穴

 ついでに、指板の欠けているところも修復しました。

 ブリッジ部分は下のような感じになりました。

 ブリッジの5弦6弦部分は、誤差の範囲内に収まりそうなので、5、6弦のネジを止めた状態で、位置を確かめながら、新たに穴あけです。

 結果は、こんな感じ。

 上は1弦のネジです。このくらいずれました。

 上はピックガードのネジ穴を埋めて空け直したところです。

 で、ブリッジの取り付けはオッケー!・・・と思ったら、

 なんか、ブリッジの可動範囲が狭いような・・上は、目一杯前に傾けたところです。普段、フロイドローズに慣れてるからなぁ〜、ストラトって、こんなもんだったかなぁ〜?・・と思いつつ各部を点検してみると、まず・・・・

 新しいブリッジの取り付け穴がやけに小さいです。上の写真左は、元々付いていたブリッジで、こちらはあきらかにすり減って広がった痕が見られますが、それにしても右は小さいですよね。ナイフエッジ加工もされていないし・・・

 あ。一応裏側は、ナイフエッジ加工がしてありました。でもやはりこの穴が小さいため、ブリッジを傾けられる範囲が制限されているようです。さあ、それでは・・・

 後ろ方向へ穴を広げちゃうと、ブリッジの位置に変化が出るので、前側にだけ穴を広げたい。となると、リーマーで広げるわけにはいかないので、ちょっと過激ではありますが、上の様に斜めに太めのドリルをあてて、削ってしまいました。(^_^;) ブリッジって頑丈だろうから、そう簡単には削れないかなぁ〜と思っていたら、意外とサクサクと削れてしまいました。

 そして、この穴の他にもう一カ所、

 どうやら、サスティーンブロックもボディーに当たっているようであります。

 ハイ!削りましょう!

 最近は、穴あけやら削りやら、全く躊躇なく、気がつくとドリルを握ってますなぁ〜。まぁ、ジャンクで安いギターだから気楽にいじれるんですよね。ウン十万円もするようなギターだったら絶対できましぇん。

 

 で、上の様に、けっこう可動範囲が広がりました。(^○^)

 さて、次はナットの高さ合わせですね。

 0,数ミリの微妙な作業なので、削っては弦を載せ、削っては弦を載せ、確かめながら慎重に削ります。まぁ、高さ調節用のスペーサーも付いてきてるので、削りすぎたらそれを使えば良いので、普通のナットよりは気楽でありますね。

 で、いい所まできたら、1弦と6弦の位置をよ〜く確かめながら、位置決めをし・・

 取り付け用の穴を空けて、ネジ止めです。

 これでナットもオッケ〜! (^○^)

 さあ、だんだん完成が近づいてきましたよ!

 上の様に、ボディー内部には、導電塗料も塗りました。ピックガードもアルミですから、シールディングは完璧でしょう。

 そして今回はなんと!

 上の様にフレットの擦り合わせにまで挑戦してしまいました。事前の試し弾きで、12〜15フレットあたりの1,2弦、チョーキングすると音が詰まり気味で、けっこう弦高を高くしないとダメでした。ネックがそっている事はそっているのですが、フレットをよーく見てみると、15フレットぐらいまではかなり減って、山は平らになっているのですが、それより上はほとんど減ってなくて、まだフレットが尖っているくらいの状態でした。
 まぁ、これもジャンクだから練習をかねてできる訳ですねぇ。

 そして!前ページで、アルミのピックアップカバーを入手し損なったことをご報告しましたが、どうしてもあきらめきれず、下のようなものを買ってしまいました。

 最近はこんな塗料もあるんですねぇ。ギター全体に使ったらすごい事になりそうですが・・・(^^ゞ

で、試してみたところ・・・

 ほぉ〜、これはこれは、金属みたいに見えます。

 こんな感じになっちゃいましたよぉ〜。まぁ、弾いてるうちにピックキズで剥げていくとは思うんですけどね。(^_^;)

 


 さあ、これで組み立てれば出来上がりです。新品の弦を張ってチューニング!

 すると問題がいくつか発生・・・・・

 まず、

 あ、アームがボリュームのノブに当たります。あ〜、だからストラトってあのノブなのねぇ。今回はピックガードを自作したんだから、ボリュームの位置を下の方にすれば良かったのにねぇ〜。後の祭りです。このハゲかかった黒のメタルのノブ、このギターには合ってて良いと思ってたんだけどなぁ〜。

 普通のストラトのノブを付けました。でも2個しか持ってなくて、しかも両方 "TONE"ですねぇ。でもまぁ、黒ならなかなかですね。

 

 さて、もう一つの問題は、けっこう重大です。(T_T)

 弦を張ってチューニング、オクターブも合わせたんだけど、開放弦が合いません。開放弦だけ音痴です。つまり、"0" フレットの位置がずれているという事ですねぇ。
 あらためてナットを観察すると・・・・

 あ〜、そっかぁ。弦の支点は、ナットの端ではなくて、ベアリングンのところになるんですねぇ。その距離約 1.5mm というところでしょうか。元々付いていたナットの位置そのままに取り付けたので、これでは"0"フレットはずれますねぇ。

 削ります!

 上の様に、現在の位置をマーキングしておいて、

 慎重に削ってゆきます。これも微妙な作業ではありますが、最終的な位置は、ネジ止めで決まるので、多少削りすぎても大丈夫ですな。(^_^;)

 

 で、弦を張ってはチューナーとにらめっこしながら、削り進め、上の位置でだいたいオッケーとなりました。こういう弦をはったりはずしたりが頻繁にある作業って、ロッキングペグは便利ですねぇ。意外な効用あり。
 ってところで、作業は終了かなぁ〜(^○^)


 さあ!完成で〜す!

 黒とシルバーで、なかなかサイバーな仕上がり、カッコいいでしょ!

 さて、問題は、「ホントにチューニングが狂わないのか?」ですよね。皆さんもそこが気になっていらっしゃる事でしょう。
 で、これがビックリ!ホントに狂いません。ブリッジはいたって普通の(むしろ普通よりも安物)のブリッジなので、裏のスプリングは4本にし、ブリッジはボディーにぴったりくっつく様にセッティングし、ダウンのみに固定しました。
 アームを目一杯までダウンしても、ぴたりと元のチューニングに戻ります。フロイドローズ並みです。

 ただ、普段フロイドローズに慣れている身には、スプリンがきついし、ダウンだけでは微妙なビブラートも上手く欠けられないし、いまいち魅力に欠けます。
 そこで、フローティングのセッティングに挑戦!

 フローティングとは言っても、上の写真の通りほんのわずか浮かせた状態ですけどね。

 そして、ブリッジのネジとの接点には、前にも紹介しましたが、上のナットソースを塗って、摩擦を軽減いたしました。結果は・・・狂いません!ちゃんと元の位置に戻りますよぉ〜(゚.゚)

 アップは少しだけですが、でも、これだけでもスプリングは3本で軽めのテンションになりますし、アップも半音から1音くらいまで行けるので、ビブラートも思いのまま、ホントにフロイドローズ並みです。ビックリ!ビックリ!ビックリ!ビックリ!ビックリ!ビックリ!ビックリ!

 ダンナ、まずは、この音を聞いてやっておくんなさいまし!

アームギンギンです!

 ね、すごいでしょ!これ普通の6点止めのシンクロブリッジですよぉ。ローラーナット&ロッキングペグ、恐るべし!フロイドローズの様にがさばらないし、弦交換も簡単だし、ファインチューニングは普通のペグの操作だし・・・、こんないいものないですよぉ〜!
 で、ここまで良いと、欲も出てきまして・・・(^_^;)。フロイドローズと比べて不満が残るのは、アームの稼働幅ですね。ただ、これはブリッジ周り(特にブリッジ後ろの下)をちょいとザグってやるだけで、広がりそうです。やっちゃおっかなぁ〜(^_^;)

 このギターはいろいろと修復箇所が必要だったので、あれやこれやと手を加えましたが、ローラーナット&ロッキングペグだけなら、1万円くらいで何とかなります。こんないいもの、使わない手は無いですぞ〜!なんでフェンダーはこれをストラトに標準装備しないんだろう?ちゃんと純正パーツとして売ってるくせにねぇ。
 しかも Fender U.S.A.なので、気も〜ちサイズが大きめです。ナット幅は42mmよりほんのちょっと大きい感じです。もっと細いのとかあれば、ストラト以外にもボディーを加工する事なく、手軽に付けられていいのにねぇ。

 あ、そうそう、初めて挑戦したフレットの擦り合わせですが、けっこう正解だったようで、チョーキング時の音のつまりがなくなり、けっこう弦高が低くなりましたよ。
 そして、懸案だった中音域フレットでの1弦の弦落ちも、ブリッジ交換でなくなり、ネックは多少順ぞりながら、なかなか弾きやすいギターになっちゃいました。でも、21フレットしかないのはどうしようもないですねぇ。普段24フレットしか弾いていないので、高音の位置がとっさによくわからなかったりしてます。(^_^;)

 いや〜、今回のこの「押し入れから出てきたストラト」。途中 Kitaro Special の制作にまで発展し、最後には「ギンギンにアームを使ってもチューニングが狂わないストラト」というものが完成し、なかなか得るものの多い作業でした。

 上のアームのサンプルサウンドは、ディストーションをかけていましたが、やっぱストラトは、アンプでの軽めの歪みで、ボリュームの上げ下げでクリーントーンから歪みまで行き来できるようなセッティングがいいですよね。

 ってことで、最後に、いかにもストラトッッッ!、ていうサウンドでご機嫌で久々のストラトサウンドを堪能している、私めの演奏をお聴きくださいませ。

これぞストラト! Clicl!

2005.12.18


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