押し入れから出て来たストラトその2

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 このストラトのセンターピックアップ、ペンタのKさん、すごく気に入っちゃったようでして、遊びにくるたび、コイツを弾いてくれます。どうやらこのピックアップで1本ストラトを仕上げて欲しそうであります。

 で、どんなにすごいのか、聞いていただく事にいたしましょう。2弦のペグの具合が悪く、弾いてるとどんどんチューニングが狂ってくる状態ですので、そこはご了承を・・(^_^;)。

センターシングルPU、軽く歪み

Playing by Kitaro

 で、Kさんから「これ、リアに付けたらどうなの?」と・・。早速やってみました。ピックガードはS-S-Hのままなので、下のような取り付け状態ではありますが・・・

 セッティングはいつものBOSSのプリアンプ、オーバードライブモードでゲインを高め、イコライザーはフラットなのですが・・・、この音です!!(^○^)

リアシングルPU、ディストーション

Playing by Kitaro

 これを聞かされちゃうとねぇ〜・・・(^○^)!! なんとかこのピックアップを活かして、Kitaro Special を作らなきゃないかな・・と。ただこのアリア、前ページでもご紹介した様に、ネックの状態があまり良くありません。ネックはそってるのか?ちょっとひねってるのか?トラスロッドも固くてまわせませんし・・・、1弦でビブラートかけると弦落ちしちゃうし。音以前に演奏に支障があるようでは、楽器とは呼べませんからねぇ〜。

 


 という訳で、オークションで、アリアのストラトを買ってしまいました。

 当然、狙ったのは、「マツモク製」

 シリアルナンバーからすると、80年製。元のアリアは77製のようですので、3年ほどあとのモデルですね。

 

 モデル名も"StageCaster"ではなくなっています。デカヘッドでないのが、残念ですが、ネック&フレットの状態は、まあままです。25年前のギターにしてはかなり良い方でしょう。それに、木目を見る限りでは、ワンピースのネックのようでして、ひょっとしたら、ちょいとグレードの高い機種かも知れません。

 ジャパンビンテージブームで「マツモク製」のギターは、オークションでも高値を呼んでいるのですが、コイツは1万円ほどで落札できました。その訳は・・・

 自家シロート塗装になっているのですねぇ。黒のつや消しの塗装がされているのですが、爪で引っ掻くと、ぽろぽろと塗装が削れる状態。塗装もオリジナルで美品だったら、この値段では買えませんでしたでしょう。

 どうやらもとの塗装は"クリア"の様ですね。しかもクリアをはがさずに、その上に黒を塗った模様。ふっふっふ、これなら塗装は、すぐ修復できそうです。(^^ゞ 多分Kさんが自分で塗るのではないかと思います。

 で、とりあえず私が試奏してみたのですが、なんか音が抜けない!リアは、まぁまぁ、ぺきぺきサウンドながらも高域が出てますが、センター&フロントは、な〜んかこもった感じ。
 こんな時は、だいたいアッセンブリーに原因ありだと思うのですが・・・。

 

 

ちょっと脱線!

 だいたい、ストラトのアッセンブリーて、私は納得がいかないんですよねぇ。1 Voume 2 Tone ですが、トーンって言ったって、ハイカット(ローパス)フィルターでしょ?なのに、一番高音成分が多いリアだけトーンが無しって・・?なぜ?
 それにその2つのトーンですが、1個のコンデンサーを2つで供用してたりするんですよねぇ。(最近はそれぞれにちゃんとコンデンサーを付けてるものもありますが)部品の節約?そんなバカな?

 それとこれはストラトに限った事ではないですが、

 シングルコイルって、ノイズに弱いじゃないですか。なのにたいていのピックアップは、シールド線ではなく、単線が出ているのですよねぇ。ハムバッキングの方はたいていシールド線を使っているのになぜ? なんか悪しき伝統、って感じがします。

※アクセしていただいた方からメールをいただきました。それによると、「シールド線はそれ自体がコンデンサーとしての機能も持ってしまうので、若干ハイ落ちします。シングルコイルの場合は、キラビヤカな音を利点とするので、その利点を活かすには単線の方が有利だと思います。」というちゃんとした理由があるようです。ん〜、私の無知をさらけ出しちゃいましたね。ギターにはまだまだ解らない事がいっぱいありまする。

 それから、ボリューム&トーンの抵抗値ですが、ハムバッキングは500kΩ、シングルは 250kΩと相場が決まっているのですが、なぜ?シングルの方がインピーダンスは小さいから、250kΩでも大丈夫、ってことなんでしょうが、経験上500kオームにした方が、音が抜けるような気がするんですけどねぇ。

 最後にもう一つ、これはギター全般ですが、ボーリュームやトーンのボディにハンダを盛って、配線するのって、良くないんでないの?

 可変抵抗(ボリューム)って、熱に弱いはずなんだけど・・・。な〜んか、抵抗があるんだけどねぇ(ダジャレじゃないっす)。これも悪しき伝統だと思いまする。といいつつ、私もそうやっちゃってますけどね。(^_^;) 
 なんか上手い方法はないものですかねぇ。? レスポールなどでは、プリント基板になっていてそこにボリューム類が付けてあるのを見た事があります。

 

話を元に戻しまして・・・・ 

 とりあえず、中を開けました。

 あ、やっぱり、1個コンデンサーを2つのトーンで供用タイプですね。しかし、ボリュームには、丸加スペシャルでおなじみの、ハイパスフィルター用C2が入っております。ほぉ〜、テレキャスではよく入っているそうですが、ストラトに入っているのは珍しい?

 で、配線は、1Volum 1Tone の丸加仕様のアッセンブリーに変更しちゃいました。

 

 改めて試奏、センター&フロントは、まぁまぁ音が抜ける様になりました。普通のストラトとしては、まぁ及第点かな?でも押し入れから出て来た77年製の例のピックアップには、遠く及びませんねぇ。こちらの80年製の方がパワーはでかくなっているのですが、あの高域の気持ちいいジャリジャリ感は、なくなっています。80年という時代を考えると、パワー重視に向かった作りになっているのかなぁ?

 とりあえず、リアのクリーンサウンドをお聴き比べください。(こちらは私が弾いていますので、へなちょこシングルコイルサウンドになっちゃってますが・・)

80年製アリア、リアシングル、クリーン
77年製、幻の?リアシングル、クリーン

 ね。80年製も悪くなく、そこそこパワーがあって、現代的なシングルコイルサウンドになってはいます。これ1本だけ聞いてれば、そこそこいいストラトだね、となると思うのですが・・・・(^_^;)。
 77製の方が線は細いのですが、アタック時の高音の出方が独特で、荒々しささえ感じるような、それでいて非常に乾いた空気感と言うか、透明感というか、昔のストラトは、こういう音だったのですよ。

 というわけで、ボディー&ネックは、80年製を使い、77年製のピックアップを、リアかセンターかKさんの希望の方へ付ける事で、Kitaro Special、になるかなぁ〜?(^○^)

2005.11.03


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