こいつは本命!赤いキルトが美しいフェルナンデス

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 さてさて、落札後、オークションで色違いのこのギターと同じと思われるものを発見。その商品説明によると、"95年頃のREVOLVERシリーズ FR-65"であるらしい。トーンコントロールのアクティブ回路は"トーンジェネレーターと呼ぶそうです。

 

 それではリペア作業に入りましょう。まずは、裏のスプリングボックスを空けてみますと。

 あ〜、スプリングがかなりさびてますねぇ。

 いつの間にか、たまってしまった手持ちのものがあるので、きれいなのと交換します。

 ブリッジを外してザグリ部分を確認すると・・

 あら汚い!ブリッジの後ろが当たるザグリ部分には、ゴムが付いています。ブリッジはフロイドローズの"プロ"タイプですので、後ろのザグリはかなり深いです。はじめからこのブリッジを載せる事を想定して設計されていた事がわかりますね。

 

 上の写真のように"プロ"タイプは、ファインチューニング用に特殊な形状のサドルを使っていまして、後ろ側がかなり低いので、アームアップのためには、大きなザグリが必要なのであります。ちなみにブリッジには"Takeuchi"の刻印がありました。

 それじゃぁ、まずはブリッジをバラしてのお掃除から。ゴールドパーツですので、いつものイオンウォーターの他に、下のゴールドパーツ用のクリーナーを使いました。

 "プロ"タイプは、インサートブロックも特殊形状であります。なくさないようにしないとね。(^^ゞ

クリーナーの効果は・・・

 ←使用前

 ←使用後

結構、くすみもとれますねぇ。

とりあえず完成!

今度はピックアップを外してみましょうか・・・

裏側にも特に刻印はなく、フェルナンデス純正のままのようであります。

ロックナットのキャップもちょいとサビが出ておりましたので、お掃除しておきました。

 アウトプットジャックのプレートは、手持ちのものを使用。ほんとはこれは「999円ギター」用にとっておいたものなのですが、とりあえずこっちを優先しちゃいました。

 それと、後から気がついたのですが、1弦のペグだけ、取り付け角度が変です。

外してみると・・・

ネジ穴は一個しか開いてないので、付け替えた訳ではなさそう。初期不良?
ちょっと傾けながらネジを止め直したら、それほど曲がってなくなったので、とりあえずオッケーです。

 そして、問題のトーンジェネレーターですが、つまみをまわす感覚がすでに、ジャリジャリして変な感じです。試しに弦を張って効果のほどを試してみましたが、既に"ガリ”状態をも超えたひどさで、一番の高音側と低音側しか鳴らないような状態です。さらに、トーンジェネレーターをきった状態では、普通のトーンとして効かない状態でした。

 バラして、ボリュームの具合をテスターで計ってみましたが、既に接点復活材程度では治らない状態でした。燃えないゴミ行きでございます。(^_^;)
 ま、もともと使う気がなかったので、オッケーです。

 という訳で、トーンは通常のパッシブにしてアッセンブリーを配線し直しですが、ちょいとスペシャルな回路を試みました。実はこれは、例の「999円ギター」用に考えていたヤツなのですが、このギターで試してみました。回路図は以下の通り。

 この回路のポイントは2つ。一つは、トーンのところののコンデンサー"C1"の付け方です。

普通だと、左のようにトーンの一端は結線されていないのですねぇ。これでも、フルテンにした時、ピックアップに比べれば、トーンの抵抗は十分大きいので、C1の影響は無いと言えるのですが、上のようにボリュームの一端をホットへ結線してやる事で、フル点時にはC1のコンデンサーがショートされる事になり、完全にC1の影響を受けなくなります。

 もう一つのポイントは、ボリュームに付けたC2のコンデンサーです。これもフルテン時にはショートされて影響は無くなるのですが、ボリュームを絞った時には、ハイパスフィルターの様になり、ハイ落ちを防ごう、という目的で付けてあります。
 実際の利き方は、ボリュームを絞って行くと低音側から音が削れて来ながら、ボリュームが小さくなって行く、という感じです。
 あまり大きな値のコンデンサーを付けると、ボリュームの効き方が不自然になりますので、小さめのものを好みでつけます。私は、壊れたCDプレーヤーの基盤から、コンデンサーをいっぱい取り外しておりまして、とっかえひっかえ付け替えてみて、好みのヤツを選びました。

 さてさて、サーキットも終わりほぼ完成ですが、このギターいろいろとバラしていると、なんだかこのきれいな木目、内部までつながっているところが多々見受けられたのですが・・・

スプリングボックスにも木目
プリントにしちゃぁ手が込んでる?

ピックアップのキャピティー内も、木目がつながってように見えるところが・・・・

 どうなんでしょう?これって本物の木目?一応ボディ表面の木目は、センターで張り合わせの2ピースの様になっていますが・・・。だとしたら、結構いい材なの?わかる方がいらっしゃったら教えてね。m(__)m

 ついでなんで、ピックアップのキャビティー内のシールディングなどもしてみたりしました・・。(^_^;)

 そうそう、コントロールのつまみも、一つ欠品でしたが、同型のものが手持ちであったので、取り付けました。 


 さぁ、ほぼ完成となりましたので、試奏でございます。

 フロイドローズは、"プロ"タイプ用に、ザグリが深いので、アップはかなりあがるのですが、ダウンがちょっと足りない・・・。(取り付けるアームの形にもよると思うのですが、現在はシャーベルのアームを借りて付けています)。ってなわけで、通常のニュートラル位置(ブリッジが弦と平行)よりもややアップ気味にセッティングいたしました。

 音については、まぁ、これといってアラはない、まぁまぁの音ですね。びっくりするような特徴は特にないけど、全うな S-S-H 配列の音です。ただ、リアのハムバッキングと比べると、シングルはちょっとパワー不足を感じますねぇ。センターはまぁ良いけど、フロントはもうちょっと歪んでほしい・・。
 何か余ってるピックアップを付けてみようか・・・と思いながら、ふと傍らを見ると・・・・

 「あら、ちょいとお兄さん、いいブツをお持ちですねぇ」・・・「21円ギター」のアリアプロ2のフロントピックアップが目に留まってしまいましたよぉ〜。(^_^;)

 例のシングル風ハムバッキング、アリア製でありまする。

 早速移植してみると・・・う〜ん、ハイパワーで太くて且つブライト!これってリアに付けても面白そうだけどねぇ〜・・・・。ご機嫌で弾きまくる事しばし・・・。なかなか良いです!。
 まぁ、ホントは私、リアハム一発でも別に困らない人なんで、フロント&センターはどうでもいいっちゃぁどうでもいいんですが、たま〜にフロントもあれば使う、ってこともあるので、一応これで決めちゃいます。センターは、例のスペシャル回路で、ボリュームを絞った状態だと、カッティングなんかにグッドのな感じです。

 で、今度はシャーベルと弾き比べてみました。フロントはいい勝負ですが、リアは、あ〜比べちゃうと、シャーベルは太くて、低音がゴリっとしていながら、ハイがスコーンと抜け、しかも中音域に私好みの変なピークが・・・。
 って、これはシャーベルのリアに付いてる、「GIG MAX」のせいですね。これと比べちゃ可哀想っか・・。(^_^;)

 シャーベルですが、前の記事でグレコの様にはうまく「鳴いて、啼いて、哭いて」くれない、といっておりましたが、最近なぜかは知らねど、けっこう「鳴く」様になってきました。(^○^) やっぱり、弾き込んでからだに合ってくると、鳴く様になるんですかねぇ。とすると、この赤いフェルナンデスも、まだまだ鳴かないですが、弾き込んでやれば、鳴く様になるかもしれませんね。

 ってなわけで、見事完成となりました。

 ネックやフレットは、問題の無い状態だし、なかなかの掘り出し物だったのでは無いでしょうか。(^○^) Oさんに里子に出した、金ピカ3兄弟の一人、アリアの後をついで、みごと金ピカ3兄弟には入れるかなぁ〜? リア用にまたGIG MAXを手に入れたら付け替えちゃうかも。

 とりあえずコイツは終了でございます。(^○^)

2005.09.04


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