禁断のヤマハボディーでコンポーネント

  

 

 まぁ、衝動買いなんです・・・(^_^;)。

 YAMAHA の RGX 620J 。美しいトラ杢のサンバースト!スプレー缶自家塗装野郎には、絶対無理な塗装ですものねぇ。
 RGX シリーズは、ミディアムスケール仕様で、なかなか作りが良さげでコストパフォーマンスが高いのはわかっていたのですが、ところがどっこい、そこはヤマハさん。
 各所にオリジナル規格パーツが使われていますので、ボディーだけあってもパーツがなければ再生のしようがありません。ミディアムスケールで2ハム!そしてこの塗装!これは今ちょうどあまっている、GRECO BOM 65 のメイプル指板のネックと組み合わせたらば、さぞやいい感じになるだろうなぁ・・・、と妄想する事半年ほどかな?(^_^;)。

 一番の問題は、ブリッジです。たぶん、ロッキンマジックの

 上の用なブリッジが付くのが、正解だと思われますが、こいつはもうスタッドの構造からして違うので、他の FloydRose 規格のものでの代用はほぼ不可能?
 まぁ、オークションで安く出物が出たらば考えようと思っていましたが、このブリッジ単体でちゃんとしたヤツってなかなかでないし、出ても高価なのですなぁ。

 

 と、このボディーの存在も忘れかけていた頃、例のダブルネックを作っていまして、エポキシ職人をやってて、GRECO GO に FRT を付けた時の事を思い出しました。

 ん〜、このブリッジ用のザグリはけっこうでかいから、エポキシで埋めながら FRT 用のスタッドを立てられれば、なんとかなるんじゃなかろうか?!!
 あら、無謀な計画ですねぇ。でも、いつまでもこのボディーを眠らせといても仕方ないから、やってみっかぁ〜!

 


 

 そんなわけで、作業スタートであります。
 あらためてボディーを検証。


 表面の美しいトラ杢は、プリントではありませんが、材そのもでもなくて、薄い付き板が表裏ともに貼ってあります。裏のブリッジのサスティーンブロック部分の穴などは、通常の FRT 用よりもせまい感じです。

 ネックのジョイントは、ヤマハさんお得意のコレです。名前なっていうんだっけかなぁ・・・?(^_^;)
 ここは、パーツさえ入手すれば、ネックを取り付ける事はできますね。

 ブリッジ用のザグリはかなり大きくて、今入っているスタッドアンカーの間隔は、80mm 弱って所です。

 そしてこのアンカーには、通常のスタッドは入らないです。たしかココって、逆ネジになってるんじゃなかったかなぁ?

 

 とりあえず、GRECO BOM 65 のネックを置いてみる・・・

 あら、美しい〜!作業意欲がわきますねぇ〜!(^o^)/
 ネックポケットは、すこ〜し緩くて隙間が空きますが、取り付けには問題なさそうです。

 とりあえず、通常のフロイドローズのブリッジは、プレート部分は収まりそうですが、サスティーンブロックの部分は削らなきゃ無いかも、です。

 まずは、今埋まっているアンカーの除去をしなければならないですが、入るネジもないので引っこ抜くのは無理そう。周りをほじくって取り出すか?とも思いましたが、強硬手段に出ました。(^_^;)

 ドリルで削っちゃってます。穴の大きさより少し太いくらいから初めて、徐々に太いドリルに変えて・・・

 こんな感じになりました。底の方にすこし金属が残っていますが、これなら埋めて新たにアンカーを埋め込む事も出来るでしょう。

 まずは、この穴をエポキシ接着剤で埋めまして・・・・


 ほかのミディアムスケールのギターからスタッドの位置を割り出して、どの辺りにアンカーを立てれば良いか、探ります。

 上のようなあたりにスタッドがくれば、オクターブチューニングの範囲内に収まりそうです。左右の位置は、ネックを取り付ける時の角度で調節出来そうなので、それほどシビアに位置が決まらなくても大丈夫そうな感じも・・・ホントか?。(^_^;)

 

 さて、じゃぁどのブリッジを付けようかなぁ〜?
 せっかくのヤマハボディーなので、長い事在庫している、Rock'in Magic Pro (これにもいろいろバージョンがあるみたいだけど)は、どうかな?とあててみましたが。

 ん〜、入らない。

サスティーンブロック部分が全然入りませんねぇ。それと

 コイツは、ブリッジ後ろの下側にサドルを前後させるための機能などがついていて、ココの部分も上手く納めてアームアップまでするには、ザグリをさらに深く掘らねばならないようです。

 そしてこのボディーのザグリは、けっこう大きく深いのですが、後ろ方向にはそれほど長くなくて、上で仮でのせてみた GOTOH 製のブリッジでは、後ろのネジがザグリからはみ出てボディーに当たるため、アームアップがあまり出来ない感じであります。

 で、結局・・・

 狭いザグリでも、ザグリなしでもオーケー、一番コンパクトでいつも助かる、フェルナンデスの FRT 4 を付ける事にいたしました。

 ネックはまだ固定していませんが、1弦と6弦を緩くはって、スタッドの位置をあらためて確認。

 さあ、ここからエポキシ職人でございます。

 とりあえず、目一杯より低めの所までざっと埋めまして・・・

 あらためて、位置にマーキング。

 ドリルで細いのから徐々に穴をあけて・・・

 スタッド装着〜!、おー、ここまで来ましたねぇ。まだ実際にスタッドの高さがどれくらいになるかわからないので、アンカーの穴は浅めに空けています。あとは、弦を張ってみてからですねぇ。

 では、ネックの取り付けです。

 1弦と6弦を張っておいて、弦の通り道を確認しながら、紙を挟んだりしてネックの取り付け位置を決めて、クランプで固定して、穴をあけ直しました。

 一応、いままで空いていた穴はエポキシ接着剤で埋めております。それと、ボディー側のジョイント部分の形状を、マジックで写し取っております。このネックは四角のプレートで取り付けるタイプでしたので、ジョイント部分のヒールカットに合わせて削り直す準備でしたが、最終的にはここを削っても私の演奏上は、変わりがない感じでしたので、削りませんでした。

 

 というわけで、ネックとブリッジが予定通りつきましたねぇ。ん〜、美しい!

 

 さて、スタッドに戻りましょう。

 弦を張ってみて、スタッドの高さが決まり、アンカーは上くらいの高さでよさそう、となりましたので、ここからまたエポキシのパテでアンカーの淵の高さまで埋めます。

 上はエポキシで埋めた後、ペーパーで整えて、黒い塗料を塗った所です。ハケ塗りだったので、デコボコになってしかも光沢が出ていますが、このあとペーパーをかけて、もう少しきれいになっています。

 ざぐりの後ろ部分のかなり深い部分には・・・

 ゴムを貼りました。

 


 

 さて、それでは電装系へと参りましょう!
 今回は、以前抜け殻を買って仕上げた、GRECO の GP 700 からそっくり頂く事にしました。

 実はブリッジの FRT-4 もこいつから頂いておりました。2ハムでは、今の所一番のお気に入りのピックアップ、Duncan PATB1-nD Activator の組み合わせだったのですが、どうもこのボディーでは出動機会が回って来そうもないんですよねぇ。ペグもここから頂きましてて、こいつは再び抜け殻になっております。

 配線は至ってノーマルの、1VOL. 1TONE。トーン用の穴はもう一つありますが、そこにはダミーのポットを付けております。

 RGX シリーズのボディーは、上の様にアウトプットの所がケーブルが邪魔にならないように加工されていたりして、なかなか良いですよねぇ。この辺はさすがヤマハって所でしょうか。

 さて、せっかくなんで、グレコのネックも少しきれいにしましょうか!

 こんな風に年季の入った感じのメイプル指板もそれはそれでかっこ良いのですが、これ以上腐食が進むのも嫌ですし、ボディーがきれいなんで、軽くペーパーをかけ、

 オイルフィニッシュにいたしました。

 ロックナットは・・・

 そうそうコイツは、グレコオリジナルの G-FORCE なので、普通の裏止めのロックナットだと、0フレットの所に隙間が出来ちゃうんですよねぇ。NYS-65 の時は裏止めのネジ穴を広げたりしましたが、こいつは素直に G-FORCE のブラックのプレートを使って、ナットキャップだけゴールドにいたしました。

 ま、ヘッドロゴもブラックですし、ロッドカバーもブラックなんで、これはこれでかっこ良いですね。

 

 というわけで、完成〜!

 と、思ったのですが、ん?予定していた仕上がりと、なんかイメージが違う・・・・。

 なんだろう?と思っていたら、あ!エスカッションか?いままで抜け殻のボディーを見慣れていたので、エスカッションが付いて黒い面積が増えたのがちょっと違って見える。いや、これはこれで見慣れれば良いのだろうけど・・・。

 ダイレクトマウントにいたしましょう!

 このピックアップは、どちらも足があまり長くないので・・・、

 丸棒を切り出して・・・

 上の様にピックアップザグリの深くなってる所に接着。

 スポンジを挟んで、ネジでダイレクトマウントしました。エスカッションのネジ穴は、黄色や赤の塗料を混ぜたりしながら一応埋めてみたのですが、あんまりきれいには行きませんでしたねぇ。

 

 というわけで、今度こそホントに完成で〜す!!!

 バックパネル類は白で自作しましたよ。

 

 ヤマハボディーでのコンポーネント、エポキシ職人でスタッドを空け直すという暴挙も無事成功して、なかなか美しいギターが出来上がりました。音もピックアップは前もって確認済ですので最高ですよ!

 難点は・・・、ボディー下側のカッタウェイが、ちょっと浅いですなぁ。ハイポジションで小指を使うのはちょっとしんどいかも?でも表面は斜めに切れ込んでいるので、薬指を斜めに入れてやる弾き方だと問題ない感じです。

 とりあえず、スプレー缶自家塗装では出来ない、トラ杢のサンバーストのギターが、うちにも1本で来ました!早くライブで弾いてみたいですねぇ。(^o^)/

 2015.05.10

 


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