ベースとギターでダブルネック! |
オンザロックスは人数が多いので、全員が都合よく揃う事は少なく、ある程度の人が来れれば練習をするのですが、ベースとドラムがお休みのときは、私が代打をいたします。で、ベースとギターの2本をぶら下げて演奏する事もあるのですが、なかなか取り回しがたいへんですし、重たいです。
そこで、なにかベースが安く手に入ったらダブルネックを1本作りたいなぁ・・、と思っておりました。ダブルネックっつっても、ボディーの後ろに板でもあてて、釘で打ち付けるとか、その程度の間に合わせのものをイメージしておりましたが・・・・。ある日の練習に行くと、K マスターからメーカー不明のベースを渡されました!中古品やでジャンクでとりあえず音の出るヤツを買って来たとの事!
ピックアップはジャズベとプレベの混合型?2 Vo. 2 Tone で何にでも使えそうなタイプですね。確かにメーカーのロゴなどは無く・・・
プレートには"Made in China"の文字。
ネックッポケットにもこれと言ったスタンプなどはないです。
音は普通にバッチリ出ました。そして、ベースにしてはやけに軽いです。合板かなぁ?でもダブルネックにするには、軽いのは逆にありがたいですねぇ。
電気系に特に不具合はないのですが、ネックはかなりの順ぞりで、弦高がやけに高いです。とりあえずはトラスロッドをいじってみるかと思ったらば・・・・
完全に緩んでいて金具がプラプらの状態でした。で、少しずつ締めてやると、そこそこイイ感じになりました。
ナットも上の様に浮いている状態でしたので、ここも接着面を削って取り付け直しました。
所々音がビビったり詰まったりする所がある事はあるのですが、ちょいと弦高高めにしてやると、あら普通に問題なく使えるベースだわねぇ〜!(^o^)。
さてそれじゃぁ、どのギターを合体させようか?今製作中の FR-65 もアリだけど、あまり出動機会のないギターや、まだ1本分くらいのジャンクなネックやボディーは部屋に転がっているし・・・。
いろいろ並べてみたり、ストラップで2本ぶら下げてみたりしておりました。
最初はギターを優先に考えていたので、ギターが上でベースが下、と思い込んでおりましたが、タッピングで両方を同時に演奏する事もあるか?となると、ベースを右手で単音、ギターを左手で和音、というパターンが多いかも?
するとベースが下だとネックが遠くて、右腕がギターを邪魔しちゃいますなぁ。というわけで、ベースが上でギターが下で、2本をつなげる事にいたしました。で、ギターはいろいろ悩んだ結果、部屋に転がっていた、STJ-48 のネックとフェルナンデスのたぶん FR の S-S-H のボディーで組み上げる事にいたしました。
ボディーとネックを組み合わせて弦の通り道を見てみると・・
あら、かなりずれております。ネック裏のネジ穴を埋め戻しして、新たに空け直して・・・
オッケーですねぇ。このネックは、"48" て事で、比較的低価格帯のものですので、フレットもミディアムくらいだし、ネックの作りもそんなに良いって訳ではないのですが、まぁ、実験ダブルネック制作ですので、このあたりで良いでしょう。
ボディーの方は、けっこうしっかりしたイイ感じのもので、実は同時進行中の FR-65 と迷ったヤツなのですが、S-H 配列の FR65 の方がうちでは珍しい部類なので、このボディーがあまっておりました。なかなか良いボディーで、切断しちゃうのはちょっともったいないかとも思いましたが、ここは思いっきりよく!糸鋸でフリーハンドで切断!
ベースの下側も同じく雑に切って・・・
こんな感じ!
ここからは、電動工具に登場いただき、何となくくっつきそうになるように、両方を削って行きます。
計画としては、きれいな平面を出してぴたっと合わせる、な〜んてことは私の技量では無理ですので、だいたい合わさるような所まで持って行き、エポキシのパテを挟んで接合しようと思っております。
時々ベルトで縛って、ストラップでぶら下げてみて、2本のネックの距離などを確かめつつ、削り進めました。
2本のネックの間隔は 9cm くらい。
上のような感じでくっつく予定。何カ所かマジックで線を入れて、接合位置の目印を付けております。
切断面は上のような感じ。特にペーパーなどはかけていません。多少デコボコしてた方が、パテでの接着には良いかと・・?
さて、接着前に一工夫!
ギター側のボディー横に穴をあけました。ベース側の配線キャビティは削ってかなり狭くなりましたので、ベースの出力はこの穴からギター側のリアハムのザグリを通って、ギター側にアウトプットを付ける予定です。
そして・・
ギター側のお尻の方の側面に、丸木を埋め込みタイトボンドで固めました。これは、
上の様に、ベースの配線キャビティの中に収まる場所です。この丸木の周りもエポキシのパテで埋めてしまって、接着強度を増そうという考えです。
では、いよいよ
エポキシのパテで接着です。
断面にパテを塗り付けておいて・・
体重をかけて、上から押し当てました。ちゃんとくっつくでしょうか?
ボディーはギターの方が少し厚みがありまして、背面が平らになるように接着して、前面の段差は、接着後にペーパーで滑らかにしようと思います。で、2日ほど放置したら、上手い事くっついたみたいです。
ここから、さらに接着の補強を行います。
真ん中はパテでくっついているようですが、つなぎ目の端の方は隙間が空いておりますので、
隙間に、今度はエポキシの接着剤を流してやります。
丸木の部分も、上の様にパテで埋めて、この部分は強度的にはなかなかと思われますが、ボディーのネック側の方も少し補強を入れたいですねぇ。
うちの作業で時々登場する上の折れたネックから、下のようなものを切り出しました。
これをボディーのネック側の裏と表に、埋め込んで周りをエポキシで固めてやります。
彫刻刀でつなぎ目の部分に溝を掘って・・・
こんな感じです。表と裏の2カ所の少し位置のずれた所に、これを仕込みました。
腕の良い大工さんや木工職人さんだったら、ピタ〜っと合うサイズのものを木槌で叩き入れてきっちり合わせたりするのでしょうが、腕のない私は、とにかくエポキシ接着剤頼みです〜!ギターのボディーは、エルボーの所にカットが入っていましたので、ここもエポキシのパテで成形して、だいたい平面でつながるようにしました。
さ〜て、それではざっと組み立て見て、試奏と参りましょうか!
ベース側のコントロールは、2個のピックアップをまとめちゃって、ボリューム1個だけにしました。
出力は予定通り、リアハムの穴を横切って、ギター側の配線キャビティへと通っております。
ベースのアウトプットは、ギターのトーンの位置にしました。ギターのアウトプットは通常のボディー横です。
ギターのピックアップは、手持ちのフェルナンデス製のリアハムとメーカー不明のシングルをフロントに、センターは無しで、S-H の配列にします。このピックアップはどちらもそれほどパワーがない、いたってノーマルな感じの音です。フロントのシングルは、なんかちょっとポールピースの間隔が狭くて、手持ちのピックアップカバーで合うものがなかったので、このあとムズタング用の穴なしカバーを被せました。
レバースイッチは、5段を付けました。そしてフロントをセンターの位置に配線。
これは、フロント位置にスイッチを持って行くと音が出なくなるって事です。ギターとベースを同時に操るというコンセプトですので、ベースを弾いてる時にギターを瞬時にミュートしたい時が出て来るだろう、と思われますのでこういう配線にしました。フロント位置でミュート、センター位置でフロント、センターとリアの間でミックス、リア位置でリアハム、となります。
ギターに専念して弾いてる時は右腕でベースの弦はミュートしておけそうなので、ベース側はマスターボリューム1個にしましたが、こちらも用途としては、on/off のスイッチでも良いと言えば良いですね。このネックに合うロックナットは、上のフェルナンデス独自の細いヤツでしたぁ〜。(~_~;)。キャップがないのよねぇ。
ブリッジはフェルナンデスの FRT-8 。弦のボールエンドを切らなくても良い、比較的廉価版についているヤツですが、色はゴールド・・。とりあえずパーツの色の統一は今の所無しですが・・・。じゃ〜ん!2本つながって、演奏出来る状態になりました〜!
ふむふむ、2本同時演奏ってのは、これからの修行次第ですが、2本を首からぶら下げて持ち替えながら弾くよりはずっと楽チンであります。
で、しばらく試奏していると、問題点もチラホラ・・・
立って弾いてる分には良いけど、座って膝の上に乗せると、やっぱりボディーがでかいですねぇ。特にベースのエルボーの部分がけっこう邪魔で、これだと右手でスティックが振れないなぁ・・・(これを抱えたままドラムを叩く事も想定しているらしい?>わたし・・・(^_^;)。)
それとベースが所々ビビったり詰まったりするのは、どうやらフレットが原因の様です。あちこち浮いてて、指で押すとぷらぷら動いたりしています。
ギターのロックナットは、現状キャップが無くてロック出来ていないのですが、ベースを弾いているとたまに6弦のペグに手が当たる事があるので、やっぱりちゃんとロックしたいですねぇ。
というわけで、これからさらにボディーを削り、各部の調整、そして塗装へと向かうのでありました。乞うご期待?
2015.02.09