ピックアップ探しの旅、新たな開拓地へ

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 Greco Go II のリアピックアップを交換しようか?などと思案しておりましたが、いつもライブで使っている BOSS GX-700 で鳴らしてみた所、とても良い音。その前に、サーキットの見直しや厳密な弦高調整、トラスロッドの調整などをしたため、さらに鳴りが良くなり、ピックアップの抜けやアタック感が改善した事もいくらか効果があったのですが、GIG MAX で使う事を前提にプログラムしていた GX-700 でそのままけっこういい音が出てしまう・・・・。ピックアップはオリジナルのままで良い!という事のようですね。

 そんな経験から、私がピックアップに求めているものを、あらためて整理して考え直してみました。そして、今までとは違った分野へ足を踏み込まざる終えないかも?(^_^;)。と思い始め、ちょいと整理して文章にしてみようか?というのがこのページの趣旨であります。

 


 

 弦楽器というヤツは、いかに思い通りに弦を振動させてやるか?それだけなのではあるのですが、エレキギターの場合は、最終的なアウトプットは「電気信号」(いや、ホントはそれを増幅してスピーカーのコーンを揺らして起こる空気の振動ではあるのですけどね)。だから弦を操ることでいかに思い通りの「電気信号」を出力させるかが、ギターを演奏するということだと思っています。そのためにはギターの弦の振動以外に、とても多くの要素が関係してくるわけですが、その中でも特に重要なものの一つが、弦振動を電気信号に変換するピックアップであります。

 

 じゃぁ、昔話モードから・・・(^_^;)

 私はずう〜と、リアハムが一発あればそれで十分、と思っていました。まぁ十数年仕事以外ではまったくギターを弾かない時期というのもあったのですが、仕事ではそれこそ色々な事をやらなければならない事もありましたが、GRECO NYS-65 1本で、実際に事足りていました。まぁ、録音のためにしか弾いていなかったので、エフェクターや後処理で、いくらでも音は作れるとも思っていましたが・・・・。 なので、ピックアップに関しても NYS-65 純正のピックアップで特に不満はありませんでした・・・・ただ1点をのぞいては・・・。それは・・・・

 「ノイズ」

 NYS-65 のハムは、実はけっこうノイズに弱くて(その分ハイは出る PU でしたが)、パソコンの前での録音作業で弾く、という環境では ちょっと大変でした。今は液晶になりましたからまだ良いですが、昔のでっかい CRT が2台並んでいる前での録音作業では、とても苦労した思い出があります。

 

 シングルコイルはいや!(^_^;)

 フロントやクリーンサウンドでは良いのですが、リアのシングルでソロを弾くのは、どうも好みに合いません。シングルのリアと言えば、ストラトやテレキャスの音が思い浮かびますが、どちらもちょっと痛々しくて線が細い。バッキングではまぁ良いのですが、ソロは弾いていてあまり気持ちよくなれませんでしたねぇ。場面によってはシングルの音が欲しい時はもちろんありますが、ハムバッキングを付けておけば、タッピングしてシングルに切り替えるスイッチを付けておけば、事足りますので、リアポジションにはハムバッキングしかない、という頭でおりました。

 

リアハムに求めるもは・・・

 求めるものは実はいっぱいあります(^_^;)。

 ・芯のあるしっかりとした太い音

 ・ハイパワー

 ・高域も抜ける音で、リアポジションならではのハーモニクスをきっちり拾う事

 ・ピッキングのニュアンスが出るアタックのレスポンス

 文字にするとこんな所ですが、これをすべて満たすピックアップはなかなかありません。今のところやはり私にとっての一番は、毎度おなじみ GIG MAX ですねぇ。最近は L-500 もまあまあ気に入っていますが、コイツは”高域が抜ける”というのとは実はちょっと違いますね。
 ハイパワーという事に関しては、前述のノイズ体験から来ています。出力がでかいという事はそれだけ S/N が良い事、ノイズが目立たなくなります。さらに同じ歪みを得るのに、エフェクターなりアンプなりのゲインを下げられますので、そこでもノイズが減らせます。今時のアンプやエフェクターで歪みが足りないってことはまず無いので、より多くの歪みを得るためにハイパワーが欲しいというわけではありません。アクティブピックアップの様にノイズがほとんどでないのならば、実は出力はそんなにいらないと思うのですが、なぜか総じてアクティブピックアップは大出力ですねぇ。

 

 私の歪みの作り方

 仕事ではいくらでも必要に応じて多彩に音色を変えてやりますが、自分の好きな自分の出したい歪みというのがあります。それが前述の GX-700 で作っている音でして、たまにやるフリーデイのライブや丸加プロジェクトでの音がそうです。

 音作りの基本は、「高い方は丸く、低い方はブライトに!」です。
 この高い低いは、音程もそうですがポジションもそうです。ギターという楽器は同じフレーズをいろんなポジションで弾けますが、ローフレットのポジションで弾く時はブライトに、同じフレーズでも丸くしたい時はハイポジションで弾きます。弦に関してもそうですね。6弦はブライトに1弦はそれほどではなく・・・。ま、たいていの歪みではほとんどこの通りになりますけどね。ただこれは、ピックアップがリアポジションでの話しです。フロントだとこの丸いとブライトの差がリアほど如実には出ませんね。フロントは6弦の開放でもやっぱりちょっと丸いですから・・・。なので私は表現の幅が広いリアハム一発で足りる、と思っていました。

 そして私の、エフェクターでの歪みのセッティングは、メタル系の歪みをあまり歪ませないで作っています。普通にメタルモードで歪ませちゃうと、ピッキングの強弱によるダイナミックレンジが小さくなるので、ピッキングのニュアンスが消えないぎりぎりのあたりで使っています。
 このメタル系の歪みは総じて、歪ませる前に入力のハイをカットしている様に思います。ブライトさは歪ませる時に出る倍音で作り出している感じがします。ハイカットして歪みでハイを足すのならピックアップの高域成分はどうせカットされちゃうんだからいらないのでは?とも思われますねぇ。事実私のいつものセッティングは確かにあまりギターを選ばず大体同じような音が出ます。
 でも、入力される音のハーモニクス成分やアタックの感じによって、弾いている感じの表現され方がけっこう違うと、私には感じられます。他の人から見るとたいした違いじゃないのかもしれませんが、弾いている本人としては、コントロールしている弦の振動がきちんと電気信号に現れるかどうかというのは、とても大問題でして、そこがうまくいかないと弾いていても、演奏に没頭できなかったりしますねぇ。

 以下は、GO 2 のリアの音。GX-700 に SE-70 のスピーカーシミュレーターをかましてライン取りしたものですが、弾き方だけで最低でもこのくらいのニュアンスの違いはだしたいんですよねぇ。

 

Clicl!

 2弦の17フレットで弾いておりますが、最初はけっこう丸いでしょ!でもリアシングルです。そこからピッキングで鋭さを出してゆく・・・、ってな弾き方がしたいのでありました。基本の音色は上の方は丸くなので、24フレットも必須なのでありまする。

 

理想のリアハムを求めて

 そんなわけで、しょっちゅうピックアップを買ってはあれこれと聴き比べているわけでありますが、やはり今のところの理想のピックアップは GIG MAX 。でも、GO 2 のリアの音も良かったわけですよねぇ。え!?ちょっとこの二つを聴き比べてみましょうか?

GIG MAX リアハム

Clicl!

GOリアシングル

Clicl!

 パワーにかなり差はありますが・・に、似てる!?と、思いませんかしら?

 もちろん GIG MAX の方が低音が出てて太いし、GO の方がアタックにシングルらしいピーク感があるけど、基本的な音の感じがとても似ている様に私には思えます。そしてむしろ GO の方の良いのかも?そもそも GIG MAX ってハムバッキングらしくない音ですよねぇ。

 たまたま、GIG MAX というハムバッキングらしくないハムバッキングに出会ったのが良くなかったのか?ひたすらハムバッキングの範疇で理想のピックアップを探していましたが、こうしてみるとひょっとしたら、シングルコイルの方へアプローチした方が良いのではないだろうか?音の太いシングルコイルっていうと、ダンカンの SSL-4 などは試した事はありますが、単にハイが出なくなってパワーが増えただけって印象で、この GO の様に太いんだけどアタックにシングル感が残るってのとはちょっと違っていたような気がします。ということは、ストラトやテレキャスではなく、まだ未経験のあの分野なのか?

 この GO のピックアップを見ると、基本的には、ジャガータイプですよね、ヨークも付いてるし。ポールピースはヘクサになってたりしてるんでもちろん GRECO オリジナルで、これと同じピックアップは無いとは思いますが、ジャガー、ジャズマスター、P-90、ブライアンメイのバーンズとか?ひょっとしてそっちなのかぁ〜?

 その手のあまり一般的ではないシングルコイル・・・、私、全然未経験なんですけど・・・・。(;_;)

  

 

 そして新たな開拓地へ

 ならば手始めに・・・・(^_^;)

 GOTOH 製の TV-1 という P-90 タイプのピックアップを手に入れてみました。

 いや、この手はね、うちにあるようなソリッドタイプの一般的なボディーには簡単には付けられないので除外していたのですが・・・・。

 通常のピックアップのキャビティには入らないので上の様に、ビニールテープでボディに貼付けてのテストです。しかも弦がぶつからない所までブリッジを上げたら、弦高が1cm くらいある状態で、まともに弾けやしないんですが、とりあえず音だけはわかるでしょう(^_^;)。

GOTOH P-90

Clicl!

 あら、なかなかいい音じゃないの!ただ、ちょっと薄っぺらいかなぁ〜?普通のシングルコイルとは全然違う太さはあるんだけど、何か違う・・・? GO の方が芯がある感じなのかなぁ。そしてGO の様なアタックのシンングル感も無い。GO の方は上と下にちゃんと支えがある感じだけど、P-90 は中間部分しか無い感じ・・?抽象的だなぁ、ワインじゃないんだから・・(^_^;)。ただパワーはありますねぇ。

 ん〜、次はジャガー用のピックアップを買ってみましょうかしらねえ。(^_^;)

 

 シングルという事は、問題もあります

 GO は音色的にはもう文句の付けようが無いのですが、仕事場で弾いていると、ちょっとストレスがたまります。

 それは・・・・・・ハムノイズ!

 シングルコイルですしねぇ、さらにこの太り具合からして巻き数も相当多いのでしょうから、ノイズも盛大に出ます。まぁギターを持つ角度をちょっと変えてやると、ノイズを拾わないポイントも見つけられるのですが、そんな事に気を取られていては、楽しく弾けませんねぇ。(~_~;)。あ〜、これでは昔 CRT の前でノイズを気にしながら弾いていた NYS-65 と同じでありますねぇ。なんとかしたい。それに今後シングルコイル探しで良いピックアップが手に入ったとしても、やはりノイズに追われる事になるのならば、何かしらの手だてを会得しておきたいですねぇ。ちなみに上の P-90 タイプも同じくらいハムノイズが出てました。

 で、いまあれやこれやと、現在 GO にノイズ対策をしてはいるのですが、あまり効果無く、いよいよ最後の手を使うか?などと思っているのですが・・・・(^_^;)。基本的に今のピックアップの音は変えたくない。いろいろやったが結局ピックアップ自体ですでにノイズを拾ってしまっているので、後処理でノイズを取り除くしか無い。うまくいくかなぁ〜、まあ、仕事場で弾かなければいいでしょうけど、エフェクター関係は仕事場にありますし、ねぇ。

 


 フロントピックアップについて

 ここまでは、リアピックアップについての話しでしたが、最近はフロントピックップについてもちょっと嗜好が変わってきております。

 まあ状況に応じてフロントピックアップの音を使う事もしてはいましたが、フロントの音もいいかも?と思ったのは、Ibaez の Roadstar II に出会った時ですね。この Roadstar は2ハムなのですが、フロントピックアップがけっこうセンターよりに付いていて、そのため適度なブライトさと丸さを持った音で、レスポールやストラトのフロントとは違った感じで、これだと表現方法の一つとしてアリだな〜と思いました。スイープやオルタネイトの速弾きなどでは何とも気持ちよいですねぇ。

 そして出会った GO 2 のフロント!まぁ、ギター自体の良さのせいもあるのですが、アタックがコキコキとしてて、でもサスティーン部分は太くて、そしてまあるいのにとてもブライト!24フレットというのもあって、ストラトのフロントともまたちょっと違います。

 そして最近仕入れたダンカンの Livewier というアクティブピックアップ、このフロントシングルがまた絶妙に良いです。EMG SA はアタックばっかり強くて、サスティーン部分が情けない感じなのですが、 Livewier は GO と同じく、キコキコしながら太い明るい、とっても気持ちの良い音でした。

 


 

 ということは・・・・??

 ひょっとして今後私のギターは、フロントもリアもシングルコイルが載る可能性が高いのか?(^_^;)

 ちょっと前まではそんな事は考えられない事でしたが、GO 2 と出会ったのが運命の分かれ目・・・。これだからジャンク漁りはやめられませんなぁ〜(^O^)。

 

2009.06.04


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