ピックアップ探しの旅、新たな開拓地へ

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 そんなわけで、前回での話しをふまえて、あらためてシングルピックアップの方から、理想のピックアップを探し始めたわけでして、目的地は同じだけど、同じ山を別なルートから登ってみようってな感じであります。で、またいろいろとお買い物をしてしまいました。そしてそしてぇ〜、かなりいいものが、やっぱりあそこにありましたよぉ〜!

 今回はそんな報告でございます。


 

 まず最初のお買い物は・・・・(^_^;)。

 前回は GTOH 製の P-90 タイプのピックアップを試しましたが、上のピックアップ。ぱっと見は P-90 風、でも普通のハムバッキングサイズのエスカッションにマウントできる様になっております。しかもポールピースはヘキサで、裏面はエポキシ?で固めてある・・・、という見た目だけで買ってしまいました。WAVER と書いてありますが・・・

 抵抗値を計ってみると、2KΩ ・・・・ん?小さい・・・?とりあえず、音を聞いてみましょうか。

WAVER

Clicl!

 あら、音も抵抗値通り小さいですねぇ。でもとても繊細な音がしています。で、ネットで調べてみたら、アコギ用のピックアップがいっぱい出てきましたが、このタイプは見つけられませんでした。たぶん、この後にアクティブのサーキットを付けて使用するものなのかな? 確かにこのままパワーアップすれば EMG みたいな音かも?2kΩ という抵抗値ならノイズもそんなに拾わないだろうから、後からブーストするのもアリか?ん〜、

 とりあえず、引き出しの奥へとしまってしまいました。(^_^;)

 


 さて、次にひけえしは・・・

 ダンカンのスタックタイプ、Hot Stack STK-S2のフロント用。過去に経験したスタックタイプというと、Jackson のものしかありませんでしたが、それは極度のドンシャリな音であまり好みではなかったのですが、こいつはどうでしょうねぇ?(^○^)。

フロントで

DUNCAN Hot Stack
STK-S2 front

Clicl!

リアで

DUNCAN Hot Stack
STK-S2 rea

Clicl!

 ああ、聞いた感じはシングルコイルの音ですねぇ。で、スタックでハムキャンセルしているのでノイズはでない。ネック用なのでもちろんそうですが、フロントではとても良い感じですが、リアではやはり、普通のシングルコイル同様、ちょっとコシの無い情けない感じになります。特にハイポジションではしょぼい音になりますねぇ。

 でも、Jackson じゃない普通のスタックタイプは、普通のシングルコイルの音がするのがわかりましたねぇ。これは収穫かな(^○^)。リア用もいずれ手に入れてみたい気がします。

 

 でぇ〜、この Hot Stack は当然4芯出ていまして、直流抵抗値は 13.5kΩ ほど。真ん中ではちゃんと半分の抵抗値ずつになっていますが、シングルの音がするという事は、あのディマジオの Cruiser の様に片側はあまり音を拾わない様になっているのではないか?という疑問が・・・・・確かめましょう!

黒-白のコイル側
赤-緑のコイル側

 予想通りでしたねぇ。黒-白のコイル側の出力の方がかなり大きい、そして片側のコイルだけの方がよりシングルらしいジャキジャキした感じがあります。ディマジオの Cruiser は、ダブルレイルのハムバッキングでこれをやっていましたが、それを縦方向でやっているという事ですね。そして出力の小さい赤-緑の方の出力は当然逆磁性逆巻きですので・・・・、むふふ、後で大活躍するのでした。(^_-)。

 


 はい、お次ぎは・・・・

 フェンダージャパン製のジャガー用ピックアップ、というのを手に入れました。まぁ見た目は、リード線の取り付け位置が横なくらいで、特に普通のシングルコイルと変わった所は見られませんねぇ。こいつは、カバーもヨークも無い状態での入手です。で、音はというと・・・・

フロント

Fender-j Jaguar

Clicl!

リア

Fender-j Jaguar

Clicl!

 ブリッジ用かフロント用かは不明で、最初にフロントに付けてみた印象は、オーなかなかいい感じ。抵抗値は 6kΩ ほどしか無いのですが、かなりパワーがあります。

 で、ブリッジに付けてみた所・・・・(_´Д`) これはヤバいですねぇ。アタリを引いたようであります。

 ナニこれ?独特のアタック感とコシのある音、ハイポジションでも失われない存在感・・・ハイ、あの GO 2 に非常に近い種類の音であります。一応 GO の音と比べてみましょうね。

GO 2

Clicl!

 いや、違う事は違うんですけどね。とくにここまでシングルの音ばかり聞いてきたので、この GO の音は抜けが悪く聞こえるかもしれませんが、あきらかに普通のシングルコイルとはちょっと違うアタックの感じと、音のコシというか芯というか・・・・、もしこの GO をもっと巻き数を減らして抜けを良くしてやったら、ジャガーの音にかなり近づく様に感じます。

 何が普通のシングルコイルと違うんでしょうねぇ?で、一応、ジャガーですので、ヨークもどきを作ってみました。(^_^;)。

 何のパーツかはわからないのですが、ホームセンターをうろついていたら上のような金具を見つけました。お値段 80 円。ヨークとしてはちょっと薄いし、幅が広いですが、磁石はくっつきましたので(磁石を持ち歩いてホームセンターをうろうろしてました)、磁界の発生の仕方に違いは出るかも?

 上のような感じで取り付けてみましたが・・・、結果音は変わらず・・・(~_~;)。ドライバーでヨークもどきの端にさわるとちゃんと磁力は来てるんですけどねぇ。ただ、この状態で歪ませたらば、いきなりハウリングというかフィードバックし出しました。たぶんこの金属が薄いので、共振して振動しちゃってたのだと思います。という事は、サスティーンとかそういう部分にいくらか関係しているかもしれませんが、録音して差が聞き取れるほどの結果には至りませんでした。

 

 ヨークの効果はさておき、恐るべしジャガー用ピックアップ!フェンダージャパン製でもこうなのだから、次の狙いは・・・・コレあたりですかねぇ?

 

 さて、実は手持ちのシングルコイルピックアップの総チェック、というのもやっておりまして、その中にもけっこうリアでも使えるかも?ってな、高出力で太いシングルコイルがありましたので、ここで、上のジャガーと比べてみましょう!

まずは、ジャガーのリア
上のと同じファイルです

Clicl!

 いつもテスト用に使っているこのギター、フェルナンデスのティアラのセンターに元々ついていた、ポールピースの太い、モンスタートーン似のシングルコイルです。
 直流抵抗値は 7.2kΩ ほどです。

Clicl!

 シングルにしてはかなりがんばってる、大出力で太い音ですが、ジャガーの前では、アタックのきらびやかさや芯のある感じに負けますねぇ。前にダンカンの SSL-4 をテストした事がありますが、コイツは SSL-4 よりはシングルらしさが残ってるかな?という印象だったのですけど、普通にシングルコイルをパワーアップしようとすると、こうなりますよね。
 たぶん、赤いキルトのフェルナンデスに元々ついていたヤツ同じだと思うのですが・・・、あとでメーカー不明という事で手に入れたヤツなので確証はありませんが・・・・。
 直流抵抗値は 7kΩ ほど。

Clicl!

 コイツはなかなか!ハイパワーながら、アタックのきらびやかさを失ってないですね。ジャガーに対抗できそうにも思えますが、ハイポジションに行くとちょっと情けなくなるかなぁ〜?テストしてるのは全部同じギターですが、ジャガーはハイポジションに移っても芯の固さが残るんですよねぇ。

 ん〜、やっぱりジャガー用のピックアップというのは、普通のシングルコイルとは確かに違う個性があり、そしてそれは、私の求めているものをかなり満足させてくれるピックアップのようであります。

 


 

 さて、GO のページでいろいろとハムキャンセルの実験をいたしましたが、GO に関しては、高音の抜け具合は今の状態がギリギリ限界な感じで、ハムキャンセル効果を得ようとすると、どうしても抜けがちょっと悪くなるので、そちらは、アクティブサーキットでの改造以外の手はちょっと無理かなぁ〜?と、現在の所思っておりますが・・・・・、でも!このジャガーのピックアップでならば、ハムキャンセル効果を付ける事で、より音も太くなり、GO の音に近いピックアップシステムが作れるかも?という、野望が生まれますねぇ。

 やってみましょう!

 ハイ、予告した Hot Stack に活躍していただきましょう。

 フロントは、グレコのブライアンメイモデルのピックアップ、という事で入手したシングルコイル。抵抗値 9kΩ もありながらハイがよく抜けるけど、線が細くてリアにはちょっと使えないかな〜?と思ったヤツです。
 リアはもちろん先ほどのジャガー。
 センターには Hot Stack をつけて、この Hot Stack の音の小さい方のコイルを、フロント、リアに直列に入れて、ハムキャンセルをしつつ、音を太くしようという計画です。GO での実験の時は、センターにディマジオの Cruiser を使いましたが、Cruiserの音の小さい方は、1.4〜5kΩ しかなかったので、ハムキャンセル効果が薄かったですが、このダンカンの Hot Stack は 7kΩ 弱ありますので、ハムはきれいに消えましたよ!

 では、音がどのくらい変わるのかの検証と参りましょう!

まずはフロントで!
ノーマル
センタースタック オン

 あら、ちょっといいんでないの?(^_-)。シングルらしさを残しつつ、ちょっと太めになりましたねぇ。GO は確かにもうちょっと太いですが、パワーも十分。これはこれで十分合格点でしょう!お次ぎはリアで!
 リアもなかなか良い感じ〜! GO の方がちょっとパワーがあり、アタックが太い?けど、でもほとんど同じ感じの音が、ハムノイズを出さずに作れちゃいましたねぇ〜(^o^)/。

 予想を遥かに超える良い仕上がりのピックアップシステムが出来ましたねぇ。これは大成功!となれば、ギターに載せたいですが・・・・、載せるとすれば、アレでしょうねぇ(^_^;)。GO はいじりませんよぉ!

 近日公開しますので、お楽しみにね!

 


 

 さて、最近すっかりピックアップの実験に凝っておりますが・・・・、さらに実験はエスカレートいたします。

ハムバッキングを作ってみよう!

 上ではセンターのハムキャンセルをフロントとリアで共用して利用したわけですが、へへ、シングルコイルが2つあれば、ハムバッキングが作れるってことですよねぇ。

 やってみました!(^_^;)。

 上のフロントに使った BM-900 を二つ、左の様に裏返してくっつけてみました。
 裏には一応薄い金属の板をくっつけてます。

Clicl!

 あら、なかなか抜けるハムバッキングになりましたねぇ。9kΩ が2個だから、高域が出ないかと思たんですけどね。しかもパワーもなかなかありますよ!シングルのセッティングのままやってたのでちょっと音が割れてしまいました。

 なかなか良いので、GIG MAX と比べてみましょうか。

 GIG MAX はやっぱりパワーがありますねぇ。こちらもクリップしちゃってますが、上の BM-900 2つとはちょっとキャラクターは違いますね。でも上の BM-900 のハムバッキングもかなり良いです。

 今度は、BM-900 一個に、逆巻き逆磁性のピックアップを組み合わせてみました。

Clicl!

 あ〜、これは上の二つに比べるとちょっと抜けないかなぁ?でもその辺のハイパワーハムバッキングよりずっとクリアで良いかも。
 今度は、BM-900 にアリア製かな?と思われるバータイプのシングルを合わせてみました。実はこのバータイプは元々磁性だけが逆だったのでハムキャンセルにはならなかったのですが、音の傾向だけでも・・・

Clicl!

 ディマジオでこんなルックスのハムバッカーがありましたよね。ちょっと太めになったかな?これもけっこうまともなピックアップになりますねぇ。
 それならば、シャキシャキのシングルコイル2個だったらどうよ?というわけで、フェルナンデスの 4k Ω ほどの裏面がエポキシで固めてあるヤツを組み合わせてみました。

Clicl!

 ほぉ〜、他のよりパワーは落ちるものの、たいへん抜けの良いハムバッキングになりますねぇ。これもアリでしょう(^_-)。

 以上、自作ハムバッキングでしたが、どれも取り付けは、ゴムで止めて何となくボディーのポケットに詰め込んでる状態なので、弦との距離とかけっこういい加減なままのてすとですが、いずれ劣らぬまともなハムバッキングピックアップが作れてしまいました。シングルが2個あれば、組み合わせ次第で好みのハムバッキングは作れそう・・・ってことで、ハムバッキングは買うより作る方が良いかも?まぁ、ちゃんと使うためには入れ物をちゃんと作ったり、取り付け用のネジを付けたりという部分が面倒ですが、ジャンクなハムバッキングをバラして、好みのシングルに入れ替えるという方法なら、すぐ出来るかも?


 

 てなわけで、最後は自作ピックアップまで及びましたが、とりあえず今回の収穫は「やっぱりジャガーのシングルは変わってる」って事ですね。そしてスタックタイプでのハムキャンセルもなかなか使える、と。

 傾向が変わっただけで、結局ジャンク漁りはつづくのですなぁ〜(^o^)/。今は、テレキャスのリアにもちょっと興味アリ!

 

2009.06.21


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