丸加スペシャル2号機か!?

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 もうギターは増やすまい・・・、と何度書いた事か・・・(^_^;)

 私、オークションで1万円以上のものなど滅多に買わないのですが、やってしまいましたぁ。

 どっからどう見てもジャンク、商品説明には"音が出ない"とまで書いてあるのに、12,000円もの高値で落札した理由は・・・

 「スルーネック」だと言うのです!!

 むか〜し、グレコの"GO"をちょこっと触った事があるくらいで、ほぼ未経験のため、試してみたくなったのでした。(^_^;) 当然フロイドローズ仕様の24フレット。丸加スペシャルと同じアリアプロ2製で、ほぼ同じようなシェイプですが、こちらは"Maguna"シリーズではなく、"The Warrior"と言う名前になっています。

 ボディはスルーネックである他に、表面のアーチドトップが、マグナのような直線的なものではなく、ボディーシェイプに合わせて台形に真ん中が膨らんでいます。ちょっと高級感がありますね。

 また、スイッチはトグルスイッチが3個で、各ピックアップの On / Off を切り替える仕様になっているようです。スイッチの穴が彫り込んである所もちょっと高級感ですね。

 

 さて、スルーネックとアーチドトップ以外には、これと言った利点が見つからないジャンクなヤツですが、12,000円は高かったのか?安かったのか?検証です。

 

 まず、一目見てあきらかな塗装からいきませうか?

 オリジナルの塗装が残っているのは、上の写真のヘッド部分だけのようでして、そこを見る限りは「茶色?」みたいな色です。売れない色だよなぁ〜。(^_^;) で、中途半端に塗装をはがした上から、クリアを吹いてあるようなのですが・・・

 あ〜、指板にまでクリアが吹かれております・・(>_<)。ちゃんとマスキングしましょうよぉ〜。さらに・・

 上のように赤い塗料の後も見えます。また・・・

 ブリッジ近辺にはゴールドの塗料らしき跡も・・・

 さらに上のようなクリアの垂れた跡も随所にあります・・・(ーー;)

 赤だの金だのいろいろ試したけど結局中途半端になって投げ出した・・・、てな所でしょうか。ま、そんな訳で、コイツは塗装から全面的に作業する事になりそうです。(かえって嬉しかったりする・・・?)(^_^;)

 

 さてお次ぎはパーツ類を見ていきましょう。

ブリッジは、アリア刻印のゴトー製です。このゴトー製の良い所は・・

 弦を挟んで止めるブロックが、ネジを緩めても落ちないようになっている所ですね。うっかり無くす人もいるようです。でもこれが割れちゃったら、サドルごと交換するしか無いのか?

 また不満な所は・・・

 上の写真のように、アームのハウジングの表面にトルクを調整するネジが付いていて、これはこれで機能的には良いのですが、取り付けるアームの径が、5mm?なのか、細いのであります。普通フロイドローズ系のアームは皆6mm径の太いのを使うのですが、これ用のアームだけって、なかなか手に入らないかも。今回のこのギターには、普通のストラト用の5mm径のものが付いてきました。うみゅ〜。ま、ハウジングごと交換しちゃうという手はありまする。

 また、裏のスプリング取り付け部分にはネジが3個付くはずなのですが、センターの1個が欠品です。

 あ、それと裏蓋のたぐいはすべて欠品ですので、アクリル板で自作予定です。

 

 また、ヘッドにはテンションバーが追加されていますが、クロムだし、ネジは違うし・・

 マグナと同じ、角度付きのヘッドなので、おそらくテンションバーは無くても大丈夫なはずでありまする。

また、ロックナットのキャップもゴールドではなくブラックが付いております。手持ちでサイズが合うのがあると良いのだが・・。

 

 

 続いて電気系・・

 「音は出ません。ジャンク」ということでしたので、配線を見てみると、アウトプットもピックアップからの線も繋がっておりませんでした。

 この汚いハンダ付けを見ると、ピックアップは変更されてますな。ん〜。

 ピックアップの取り付けスプリングも左右違うものが付いていたりしますので、かなり改造された様子・・・ん〜。

 とりあえずピックアップが生きてるかどうか、テスターで導通をチェックしてみると・・・

 え??50kΩ???

 ん?この赤白アースの線の出方は・・?ひょっとして「アクティブピックアップ」?!! 改めてピックアップをはずして眺めてみたりしましたが、"Aria Pro II"の刻印があるだけです。たしかに完全に密閉されいるけど・・・

 半信半疑のまま、9Vの電池をつないでみると・・・・あらお見事!音が出ました。

 へぇ〜、国産のアクティブピックアップって、フェルナンデスの F.G.I. だけかと思ったら、アリアブランドでも作ってたんですねぇ。これはかなりレアものなのか?ボディには電池ボックスや電池を仕込んだ跡が見当たらないので、後からアクティブを載せ直したんでしょうねぇ。前の持ち主の方は、どう使っていたのか?間違ってアクティブピックアップを付けてしまったら音が出なくて投げ出したのか・・・?まさかね?

 

 と言う訳で、早速 EMG と聞き比べ!ですね。(^○^)

 
アリア
EMG
リアハムバッキング
 なんだこのアリアのハムは?パワーがすごいです。しかも音がハムバッキングとは言えないような、高音の出方。EMG89が、かすみそうです。(^_^;)

 いや〜、これは思わぬ儲けものかも知れませんねぇ。

フロントシングル
 リアハムがパワーがありすぎるのか、アリアのフロントは出力が小さいですなぁ。あ、ボリュームポッドがパッシブ用が付いている可能性があるので、そのせいかもしれません。EMG の方は、シングルながら低音域も豊かなのですが、アリアの方は、いかにもシングルって感じの、線の細い感じです。

 スルーネックの他に、思わぬオマケがありましたねぇ。幸いアッセンブリーのキャビティには余裕があるので、電池を仕込むスペースは確保できそうです。 

 

 と、試し弾きをしていると問題発生!6弦が弦落ちします。(>_<)

 上の写真の通り、6弦はぎりぎりフレットに載っているような状態。なに〜!スルーネックじゃネックの角度はいじれないぞー!

 このブリッジ右側は丸いくぼみでスタッドに当たっているのですが、左はまっすぐになっているので、ブリッジのせいか?とはじめは疑いましたが、弦間ピッチは他のフロイドローズと同じでしたし、24フレットあたりだと、6弦はまぁまぁ内側に入ってきてるので、ロックナットが交換してある可能性が高いと睨みました。

 ん〜、どこまでがオリジナルなのか、さっぱりわかりませんねぇ。ひょっとしたら元はゴールドパーツじゃなかったりして・・・。

 

 さて、そんな訳で、かなりかわいがり甲斐のあるヤツと言う事が判明いたしましたね。肝心のスルーネックですが、確かに上の方のフレットは弾きやすいですねぇ。後はいったいどんな寄木細工になっているのか、塗装を落とすのが楽しみであります。ボディの真ん中には、フロイドローズ用のでかい穴が空いてますので、ボディーのお尻まで貫通はしていないと思われますが、はたしていかに?

 ボディの木目が見えてる所では、3カ所の境目が確認できます。変則4ピース?うーむ、高いんだか安いんだか、よくわからないギターです。

 

 同じアリア製と言う事で、このギターは、丸加スペシャル2号機(Mark II と呼ぶか?ダブルΖと呼ぶか?)を目指す事となりますが、スルーネックと言う事で、塗装はかなりの困難な作業になる事が予想されます。アリアのアクティブピックアップという、思わぬ副産物がありましたので、おそらくピックアップはこのまま行くと思いますが、スイッチ3つは使いにくいので、きっと変更があると思います。

 ま、のんびりのんびり、秋ぐらいの完成か?を目指す予定ですので、皆様もゆっくりとおつきあいくださいませ。

2006.06.17


追補

 まず、弦落ちがしていた6弦ですが、手持ちのややピッチの狭いロックナット(手持ちである所が恐ろしい・・・(~_~;))に替えた所、大丈夫そうです。

 まだちょっと6弦側により気味ですが、演奏に支障が無い程度になりました。奥の手として、『フレット打ち直し6弦面取り減らし処理』というのもありますが、今回はこれで大丈夫そうです。

 また、

 テンションバーも取り外しました。ネジ穴は、塗装の時に埋めます。

 

その他気になる所が少々・・・

 ブリッジの裏のボディ、ザグリがありません。え?フロイドローズ仕様ではなかったのか?いや、ボディがアーチドトップなので、とりあえず現状でも、アームアップは可能です。私の場合、"3弦12フレットで2音アップ"と言うのが一つの基準になっているのですが、現状では1音半って所です。ザグルかどうか?塗装を落としながら考えます。(^_^;)

 ブリッジのスタッドボルトですが、色が黒です。ん〜、やはりもとはゴールドパーツではなかったのか・・・?でもトラスロッドカバーのネジなどはちゃんとゴールドだし・・・。

 

 ピックアップの出力なのですが、センターのシングルが、極端に小さいです。(ーー;)

 上のようにセンターを弦ぎりぎりまで上げ、リアハムをかなり離したセッティングにしてもまだ、リアハムはでかく、センターは小さい音しか出ません。フロントは、まぁ普通のシングル並みかな?アクティブなんだからもっと出力が高くても良さそうなものですが・・・センターは、ひょっとしたら壊れているのか?一応配線でスイッチを替えてみたりしたのですが、変りませんでした。

 壊れているのか?と言えば、リアハムも壊れてるんじゃないの?と言うほどビックリな音です。プリアンプを通さずに直でラインに入れてやると、すんごい高音が出てまして、弦の擦れる音やちょっとしたフレットのビビリなどが、聞こえちゃいます。アンプシミュレーターを通してやっと、使える音になりますが、その音は、ハムバッキングっぽい特徴もある事はあるのですが、高音の出方はその辺のシングル以上ってな感じです。ただ、これはこれで、けっこう気に入っちゃったんですけどね。

 シングルはEMGに換装、と言う手もあるかな?

 そうそう、ボリューム&トーンのポットですが、ちゃんと25kΩでした。ところが、ボリュームをゼロにしても、ピックアップスイッチを全部オフにしても、音が小さく漏れてます・・(ーー;)。テスター片手に配線チェックしたら、ポッドからのアースが一部接触不良気味でした。ボリューム&トーンはガリも無く良い状態。付いていた黒のハットノブは、当然ゴールドの金属製に取り替えました。(^^ゞ

 アプトプットのジャックはダイレクトタイプの密閉されたものが付いているのですが、こいつが接触不良です。ジャックをいっぱいに差し込んだ所から、ちょっと戻してやると上手く音が出ます・・・・。これじゃ使いづらいので、新品を買うつもりです。(オープンジャックならいっぱい持ってるんだけどなぁ〜)

 また、指板に吹かれているクリアの塗料。弾いてるととても気になるんですよねぇ。メイプルネックみたいにカチカチならいいのだけれど、適度な柔らかさを感じながら、ツルツルしてる・・という感じ。布にシンナーをしみ込ませて軽く拭いてみましたが、あんまり取れませんねぇ。指板だからなぁ〜、剥離剤をかけるのもちょっと恐いし・・。これも、塗装落しの時に考えましょう。 


 と、いろいろと整備して、とりあえず普通に弾ける状態になりました。で、その感想は・・・・。いいですねぇ〜!スルーネック!実に弾きやすい!それにサスティーンも長いような印象。変態リアハムバッキングもかなりの気に入り。ゴトー製のフロイドローズも、なかなかな使い心地。アームをちゃんとした物にすれば、そのままいけると思います。

 いや〜、なかなか良いギターのようです。ネックはやや順ぞり気味ですが、トラスロッドは動きそうなので、とりあえず弦を張って数日置いてから、調整します。
 いろいろ手を加えるとこはありますが、素材としてはかなりいい感じ。12,000円は安かった・・・・と言えるようにがんばりま〜す。(*^o^*)

2006.06.18


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