フルサイズハムバッキング、聞き比べ大会!

 今回は、PU 聞き比べ様にギターを一本用意致しました。餌食となったのは、変わったブリッジが付いていた、フェルナンデスのティアラ?

 ピックアップの聞き比べをする時、いつも難儀するのが、その度に弦を緩めてチューニングをし直す事・・。特にうちにあるギター達は皆、FRTのフローティングですので、かなり面倒でした。ホントは、ジャンクギターを改造して、裏側からピックアップを取り付けられるようなやつを作ってしまおう!と計画した事もあったのですが、未だ手付かずであります。

 このフェルナンデスは、テールピースがボールエンドを引っ掛けてるだけなので、弦をちょいと緩めてやると簡単に弦が外せます。もちろんブリッジは、裏のバネを4本まで増やして、ボディーべた付けで固定しました。

 それともう一点このギターの良い所は、フロントのキャビティからの配線の穴が独自についているのですねぇ。なので、リアを外さずにフロントだけ交換、ってのも出来たりします。ただ一つ難点は、22フレット仕様であるため、普段私が使う24フレットのギターよりもかなり前方にフロントピックアップが装着されてしまう事ですねぇ。なので、実際に私がフロントで使う場合は、このフェルナンデスでの音よりも、もう少しシャープになると思われます。

 そして、裏の配線にはワニ口クリップを取り付け、ハンダ付けナシでピックアップを取り付けられるようにいたしました。


 さあ、では聞き比べ大会、始まり始まりぃ〜!

 今回は、最近お気に入りの、Ibanez RoadStar2 を基準と致しましょうか。

クリーン

Clicl!

クリーン

Clicl!

 こうやって冷静に聞いてみると、まぁ、ふつうのハイパワーピックアップなのかなぁ?直流抵抗値は、12kΩほどで、リア用とフロント用の違いは無いように思われます。音的にはレスポールと言われれば、そうかも?と思えるような感じですね。ひずませた時のフロイントの音がお気に入りなりになってしまったのですが、クリーンだとさほど高音がそれほど抜けている訳ではないですね。

 では、歪みの音も・・!今回は、歪みは Boss SE-70 のクランチを使用しました。リア→フロントと続けてどうぞ!

Crunch歪み

Clicl!

 下手なスイープも飛び出しましたが、フロントが気に入った理由は、ピックアップの取り付け位置にあるのかもしれません。レスポールと根本的に違うのは、ロングスケールの24フレットである事。フロントの取り付け位置は、かなりセンターに近い所になりますからねぇ。この、丸いんだけど、アタックがキコキコする感じが好きでありまする。

 

 さてお次ぎは・・・・
 まずこのギターに元々付いていた、フェルナンデスのハムを聞いてみましょう。ポールピースがやたらと太い、シェクターのモンスタートーンみたいな外観です。こちらも直流抵抗値は 12kΩ強で、フロントとリアの区別はなさそうです。

クリーン

Clicl!

クリーン

Clicl!

 RoadStar と比べると、抜けが悪く聞こえますね。パワー的には同じくらいですが、よりマイルド?よく言えば太い?と言う印象です。フロントは丸過ぎかなぁ〜?

 

 さあ、ではお待ちかね、Bill Lawrence L-500 へ参りましょう!

 高値で取引される L-500 ですが、今回は3個手に入れました。

 黒の2個セットの他に、裏に"L-500 RHYTHM PATENT PENDING"とシールが貼られた、周りがシルバーのものです。


 "RHYTHM"って書いてるってことは、レスポールで言う所のフロント用なのかしら?直流抵抗値は、3つとも 8KΩほどと同じでした・・?あれ、ハイパワーで有名なはずなのだが、この抵抗値でいいのか?と不審がりながら、まずは2個セットで手にいれたものをフロントとリアにセット。外見上の違いも無いけど、とりあえずシールドが長い方をフロントにしてみました。
 まずは、クリーンサウンド・・・・

クリーン

Clicl!

クリーン

Clicl!

 あら凄いパワー!しかも何?この派手な高音?ん〜、やはり直流抵抗値 8KΩというのがこの高域の抜けを生み出すのでしょうか?奇しくも、私のお気に入り、GIG MAX 君も、8KΩちょいなのにハイパワーで抜ける音。

 ただ、高音が出ると言っても、アクティブやシングルみたいに、うんと上の方が出てるのではなく、中高音?と言った所なのかなぁ・・、2〜5KHZくらい?の所に独特の癖みたいなのがあって、そこって一番耳に付く所なので、凄く派手な感じに聞こえるのだと思います。
 ちなみに歪ませると・・・こんな感じ(^_^;)。リア→フロント

歪み

Clicl!

 特にアッタクがはっきり出て、分離がよく聞こえますねぇ。このピックアップに惚れ込む人が多いのも解ります。RoadStar と比べると、リアではあんまり差が出ませんが、フロントが明るいかな?

 さて、んじゃぁ、ダンカンの SH-13 Dimebucker はどうだったんだっけ?ダイムバックダレルの名を冠しているのだから、L-500 に近いのでは?と思っていたのだが、Dimebucker の抵抗値は、16KΩオーバー・・・

クリーン

Clicl!

 Dimebucker の方は、例のSHO-YA モデルに取り付けてたままなので、完全な比較とはいきませんが、ん〜、L-500 と比べると、レンジが狭い印象ですね。それでも RoadStar よりは高音は抜けてるし、低音も出てますが・・・L-500 が異常なんですなぁ。試しに Logic の EQ を使って、このSH-13 の音を L-500 見たいに出来るかといじってみましたが、なかなかそうはなりませんでした。ん〜、ここがまたピックアップの面白い所ですなぁ。だからやめられない・・・(^_^;)

 え〜、それじゃそれじゃぁ〜?同じ抵抗値8kΩほどの GIG MAX と比べてどうなの?あれも抜けが良いよ〜・・・

クリーン

Clicl!

 高域は L-500 よりも上の方がちゃんと出てるんだけど、L-500 の独特の味付けと比べると、バランスが良すぎて地味・・?とも感じられてしまうから不思議です。でもなんと言うか、芯、見たいなのが Gig Max にはあるのと、ややシングルっぽい高音の出方があるかな?。

 L-500 はやっぱりとんでもない化け物でしたねぇ。丸加スペシャル3号機となるべく予定している、Bill Lawrence の SHO-YA モデルは、L-500 で行く事にしましょう!Dimebucker は、オークションで売り、かな?

 あ、忘れてましたが、"RHYTHM"のシールが貼ってある銀色のモデルも、音は全く一緒でした。


 さて、ここからは、RoadStar がお気に入りになったので集めてしまった、Ibanez製のピックアップへと参りましょう。 

 まずは、V7 V8 の組み合わせ。Ibanez の Prestige などにも使われてたやつですので、ちょっと前の Ibanez の高級機向けなのかな?抵抗値は、リアの V8 が 15.5kΩほど、フロントの V7 が9.5kΩほど、ほぉ〜けっこう違いますねぇ。どれどれ・・

クリーン

Clicl!

クリーン

Clicl!

 あ〜、RoadStar と基本的な方向はいっしょかなぁ〜?RoadStar と比べると、リアはちょっぴり太くパワーアップ、フロントは逆に高域の抜けを良くした、って所だと思います。L-500 を聞いた後だと物足りなく感じますが、これはこれで、真っ当に良いピックアップです。RoadStarをこいつに載せ換えるってのもあアリだなぁ〜(^_^;)。

 続いては、同じく Ibanez の V1 と IBZ V1 表面の刻印に"IBZ"が付いているか付いていないかだけで、同じだとは思うのですが・・・抵抗値はどちらも11kΩ。フロント用ですね。

クリーン

Clicl!

 抵抗値通り、上の V7 より太い音ですねぇ。型番からすると V7 の方が後でしょうから、V1 を改良して、パワーを落とさないまま高域の抜けを良くしたのが、V7 って所でしょうか? "IBZ"の刻印が入っている V1 も、ただの V1 と音は全く同じでした。レスポールのフロントって、まさにこんな感じですよねぇ?

 ちなみに裏面の外観は、上の通り、V7 はスペーサーのゴムが付いていますが、形状は全く同じであります。私の好みでは、V7 に軍配ですね。フロントでより丸い音が欲しいのなら、V1 がおすすめですね。

 

 さてお次ぎは・・・、エドワーズのギターから外した・・、としか解らない、2個セットのカバードタイプです。抵抗値はどちらも 8.5kΩほど。これもフロントとリアの区別はなさそうでしたので、ケーブルの長さでセットしました。

クリーン

Clicl!

クリーン

Clicl!

 ん〜、まぁ悪くないですね。パワーは中の上?程度で、抜けもまずまず。際物好きの方には物足りないでしょうが・・(え?私の事?)、これも全うなピックアップですね。


 次は、お口直し・・?メーカー不明の国産ものです。Gotoh製かなぁ〜と思われるのと、裏面が例のローラーナットのマグナ(売ってしまいましたぁ)のリアに付いていたのと似ていたので、ひょっとしたら GIG MAX 似の可能性があるか?と思い買ってしまったやつです。まだ表面のビニールがついて状態で、未使用とのことで購入しました。

クリーン

Clicl!

 音がやたら小さく感じられると思いますが、これが普通です(^_^;)。ま、普通のピックアップでしたねぇ。残念。これと比べると、同じ8kΩの上のエドワーズは、けっこうがんばっているピックアップかもしれないですね。


 お次ぎは、ダンカンの TB-5 Duncan Custom です。ボロボロのジャンクギターを買ったら偶然リアに付いていた儲け物です(^_^;)。これもリプレイスメントでは、定番のピックアップですが、気になるのは、JB (SH or TB-4) との違いですよねぇ。

 抵抗値は、JB の方が 16kΩ、Duncan Custom の方が 14kオームほど、まぁたいした差は無いですが、マグネットが JBはアルニコ Custom はセラミック、となっていますねぇ。ダンカンのサイトでトーンチャートを見ると TB-5 Custom の方がドンシャリ系のように見えますが・・・

クリーン

Clicl!

クリーン

Clicl!

 この比較では、JB の方は、丸加スペシャル初号機付けた状態なので、単純には比べられませんが、出力的にはほぼ同じ、全体的には同じ傾向の音ですが、Custom TB-5 の方が低音が大きく出ます。JB より太いかなぁ〜?という印象です。JB の方がアタックがパリンとした感じがしますが、この辺りは、ギターの弦高の具合によっても変わってくるので、何とも言えないかなぁ〜?

 

 さてさて、お次ぎは怪物登場です!ヤマハの銘記、一度は弾いてみたいぞ! SFX に付いていたという、バータイプポールピースのピックアップ、2個セットです。

クリーン

Clicl!

クリーン

Clicl!

 ハイ、とにかくこいつはパワー重視ですね。一番音がでかいのは、ダンカンのSH-13 だろうと思って、セッティングしたのですが、フロントは完全にレベルオーバーで割れてしまいました。(^_^;)抵抗値は、フロント、リアともに16kΩ強なのですが、面白いのは、リアは3芯が出ていて、中点をアースに落とす事でシングルにタップできるようになっているのですが、フロント用は2芯しか出ておらず、ハムオンリーとなっています。で、歪ませてみた所・・・
歪み

Clicl!

 凄い重低音です!モニターの NS-10 がぶるぶる震えるようなくらい低音が出ます。メタルやるには最高のピックアップかもしれませんねぇ。

 

 さて、どん尻にひけぇしはぁ〜、珍しい、ESP製のアクティブピックアップ!あ、アクティブだとサーキットも変えなきゃ・・・と作りました。

 ご覧のようにもうどのクリップが何の線か?私以外には解らない状態になっております。
 そして音は・・・

クリーン

Clicl!

クリーン

Clicl!

 アクティブらしい、きれいな高音。パワー的には、EMG のハムタイプよりは、やや落ちる感じ、SA くらいのパワーかなぁ〜?というわけで、SAのフロント、リアは 89 をシングルモードにした状態の音と比べてみましょう。EMG は、例の赤いキルトのフェルナンデスに乗った状態の音ですので、フロントの SA は、かなりセンターよりの位置に付いている事をご考慮くださいませ。

クリーン

Clicl!


シングルにタッピング状態で!

クリーン

Clicl!

 ん〜、確かに EMG の方がシングルらしい音色になっております。これはストラトを意識しての音作りなのかな?、ESP の方は、シングルとハムバッキングの中間?見たいな印象です。これはこれで珍しいですねぇ。きれいな高音が出てるけど、シングルほど細くてシャリシャリする訳でもない、でもハムバッキング的なキャラクターは薄い・・とでも言いましょうか・・。

 さて、以上で今回のハムバッキング聞き比べ大会は、無事閉幕でございます。印象に残ったのは、やっぱり Bill Lawrence L-500 かなぁ〜。非常に独特の、ほかには無い個性を持っておりますね。なかなか気に入りましたよぉ〜!

  最後に、その L-500、GigMax、そして EMG の 85 を3つ続けてお聴きいただこうかと思います。

Clicl!

 ん〜、どれもちゃんと「ハムバッキングだよぉ〜」というカテゴリーの中で、それぞれがちゃんと違うキャラをたててる、ってところが素晴らしいですねぇ。こうして聞くと Gig Max がけっこうノーマルに聞こえるからちょっと不思議・・(^_^;)
 この3つのうち一つだけしか使っちゃいけません!っていわれたら、困るなぁ〜。どれも全部捨てがたい・・・。だからギターが増殖するのねぇ・・という言い訳・・・(^_^;)

2008.05.21

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