GRECO NYS-65にフロントピックアップを&フレット打ち直し!


 丸加スペシャル THE 3rd がとっても良い仕上がりになり、やっぱり男は黙って2ハム、そして高さのあるフレットは良いなぁ〜と、弾き込んでいるうちに、よからぬ妄想が・・・・。グレコの NYS-65 にフロントピックアップ、付けられないかなあ〜?・・・、野望は、即実行へと移されたのでありました。

 餌食となるのは、グレコ次男?だったか三男だったか?、ブラックの GIG MAX をのせたやつです。現在は、センター位置にダンカンの Hot Rails ブリッジ用を付けておりまして、まぁ、そこそこ丸い音がしておりますが、いわゆるフロントの、丸いけど明るいってのとは、ちょっと違う音であります。フロントピックアップを付けると言っても、カッタウェイが深いこのボディーでは、ネックエンドのすぐそばには穴はあけられません。でも、シングルサイズの穴なら、もうちょっとフロントよりに付けられそうに思えます。(^_^;)。

 さっそく、シングルのピックアップカバーをあてて、位置決めです。この辺がギリギリだろうなぁ?

 サインペンでマーキングし、削ります!。

 先の丸いルーターで、始めはそろそろと慎重に削ります。

 削ってて気がついたのですが、赤い塗装がけっこう木材にしみ込んでいるのね。ああ、そうか!シースルーで木目を強調するには、目止めとかせずに導管にしみ込ませて、赤の濃淡を出した方が良いのね。まぁ、今までの丸加スペシャルでは、木目がいい感じのギターってのは、なかったので、次回、何か木目がきれいそうなギターを塗装するときは、やってみませう。でも、そうすると、シースルーレッドの塗料の塗り方が難しそう・・・、塗った後でちゃんと表面を整えなきゃないですねぇ。

 削りは着々と進行します。サイドの垂直にしたい面などは、上のように円錐形のルーターを使います。

 で、現物を合わせながら、大きさと深さを徐々に広げてゆきます。

 この辺の高さまで入れば、オッケーでしょう。ネックジョイント近くの穴なので、強度的になるべく穴は浅くしておきたい・・・。

 最後はやはり手作業でのペーパーがけ。手作業にかなうモノ無し!・・というのは嘘です。精度が出る工作機械があれば、そっちの方が仕上がりもスピードも絶対よいはずです。私が、フライス盤を買う、とか言い出したら、誰か止めてくださいね。(^_^;)

 で、上の様な感じで無事穴開け終了!わりと浅くてすんだかな?真ん中の配線用の彫り込みは、元々あいていた穴です。

 あとは、シースルーレッドの塗料を塗って、なんとなくきれいにします。

 実際の所は、彫り込みエッジとかは、やはり塗装欠けが出たり、案の定ルーターを滑らせて付けた傷などがあります(>_<)。なので、上のようにちょこちょことスポッティングに塗料を塗りました。

 で、あとは傷やエッジに耐水ペーパーをかけ、コンパウンドで磨いて、見事フロント用の穴が空きましたぁ〜!ついでなので、ボディー全体をコンパウンドで磨き、ピカピカにしちゃいましたよ!(^○^)。


 さて、お次ぎは、フレットの打ち直しです。現状特に減っているとかではないのですが、丸加スペシャル THE 3rd のビルローレンスのフレットが、細身なのに高さがあるやつで、それが何とも弾きやすいので、ジムダンロップの 6105 というミディアムハイのフレットに打ち直す事にしました。

 オークションで買ったのですが、上のように、通常のパッケージものではなく、一巻きになっているやつを買いました。(この状態で届いたので本物かどうかは、本当はわからない?)

 上は、オークションのページにあった、サイズの写真ですが、ノーマルのジャンボフレットというと、6100 になる訳ですが、写真のように、幅は狭く、でも高さはジャンボ並、と言うやつです。

 さて、それでは作業にかかります。まずは、今付いてるフレットを抜きます。

 

 フレット抜きには、専用の工具を使います。食いきりペンチの、もっと先が鋭敏なやつで、フレットと指版の間に滑り込ませるようにはさんでやると、フレットが浮いて抜ける仕組みです。フレットの真ん中とかで上手く歯が入らないときは、端の方から少しずつやると上手く抜けます。

 全部抜き終わったら、軽くペーパーをかけます。抜いた所のエッジで、木がめくれ上がったりしてますので、そこを滑らかにしてやります。

 左がこれから打ち込む 6105、右が今まで付いていたやつです。打ち込む歯の部分の深さは、あまり変わらない様ですね。新しい方が深いときは、のこぎりを溝に入れてやって少し削ったりしますが、今回はそのまま言っちゃいましょう!

 ハンマーでガシガシと叩きますので、ネック裏には保護の意味でビニールテープを貼っておきました。丸加スペシャル初号機の時は夢中になってて、ネック裏の塗装に傷つけた事がありました。

 今回のフレットは、巻いてある状態で来たので、アールがきつく付いていました。なので、ある程度まっすぐにのばしておいてから、指版の幅より少し長めにきって使います。アールは指版より少しきついかな?ってくらいで打ち込むと、上手く行く事が多い様です。

 アールの調整は・・・、これが微妙な作業でしてねぇ。専用のフレットにアールを付ける装置ってのもある様ですが、私は今は、ペンチで挟んで、少しずつ力を入れて調整しています。でも、あんまりきれいに行かないのよねぇ。なにか上手い手はないかと、考えておりますが・・(^_^;)。

 挟むペンチは、フレット表面に傷がつかないように、上のようにビニールテープを巻いております。ま、後からすり合わししちゃうので、多少の傷は大丈夫なのですけどね。

 フレットの両端をヤスリで削り、長さを合わせたら、はい、樹脂製のハンマーで打ち込みます。フレット打ちようのタガネの様なものもあるようで、欲しいと言えば欲しいかなぁ〜。一発で力一杯打ち込むよりも、少しずつ、指版のアールに合わせて整形していく様な感じで、丹念に叩いてやります。

 で、24フレット無事打ち込み終わりました。いつもはフレット端の面取りを打ち込む前に一本一本やっていたのですが、今回は後回しにしまして・・・

 フレットすりあわせ用のヤスリで、上のように一気に面取りをしてみました。

 ネックの横に傷をつけないように、マスキングテープを貼りました。でも、本当の行程ってどうなんだろう?フレットを打ってから塗装なのかな?それだと安心して面取りが出来るから、フレットを少し長めに出しておいて打ち込めるので、きっとその方が楽にきれいに仕上がりそうに思えます。それに、メイプル指版の時はどうするんだろう?指版にも塗装がのってますけど、あれは、フレッと打つ前に塗るの?後なの?・・・疑問です。

 で、面取りの仕上がりは上の様な感じ。私は、フレットがなるべく指版の端まで来ていて、面取りが少ないのが好きなので、上のようになっています。市販のギターはもっと深く面取りされてますよね。出来は・・・(^_^;)、今まで打ち直した中では、これでもきれいな方です。他のギターのフレットのエッジは、みんなバラバラで、手作り感丸出しになっております。

 で、定規を当てて、デコボコ具合を確かめます(^_^;)。今回はけっこういい感じ、慣れてきたかな?で、気になる所はハンマーで叩き直して、整えます。この段階では、まだ擦り合わせはしないでおきます。

 この後弦を張っての調整となる訳ですが、こいつに付いていたペグ、けっこう色あせが来ていたので、上の様な新品ものに交換してみました。キーストーンタイプって言うんでしたっけか?レスポールっぽいつまみながら、取り付けねじの位置が斜め、ってのが珍しいかな?と思い、確保していたものです。

 そして改め気づきましたが、こいつのネック、けっこうトラ杢が出ておりましたねぇ。

 ついでに、こいつに乗っけてたブリッジの説明も・・・。私が嫌だと言ってるタケウチ製の Floyd Rose なのですが、たまたま、他のブリッジの小さめのサスティーンブロックを移植出来たので、アームのハウジングを本家 Floyd のものに付け替えて使っていたのでした。うんうん、これならタケウチ製でもオッケーです!。

 さて、配線は普通の2ハムにした訳ですが、センターの穴をどうするか?とりあえずダミーで、ムスタング用の穴の空いていない、黒のピックアップカバーだけを入れてみました。デコレーションシールで"MARUKA"と飾ってみました。

 フレットが高くなったので、ナットの高さも上げなければなりませんねぇ。ちょうど手持ちで上の様なスペーサーがあったので、入れてみました。

 さあ、そしていよいよ弦を張って、フレットの具合を見ます。低フレット側はだいたい良い様ですが、22〜24 フレットあたりがけっこうだめでした。24フレットから打ち始めたのですが、確かに最初のうち、ちょっとアールがきついかなぁ〜?と思いながら打ってたんですよね。微調整し始めた後半の低フレット側はオッケーなので、最初からもっと気を使って作業するべきでしたねぇ。(~_~;)。

 で、上の3フレットはいったん抜いて、アールを付け直し、再度打ち込み直しました。その他のヤバそうな所も、もう一度ハンマーで叩き直して、再度、弦を張り直し、フレットチェック。

 で、後はトライ&エラーで、少しずつフレットの擦り合わせをしてゆきました。一回ザッとすりあわせると、削れるフレットと削れないフレットが、残った削りカス等でわかります。そこのばらつきがあるうちは、まだまだ、ってことかな?

 で、何度か減を張り擦り合わせを繰り返して、完成〜!

 お〜、遠目には美しい仕上がり!

 でも・・・・、なんだか・・・・、ヤマハの MG みたいなルックスになっちゃったなぁ〜(~_~;)。B'zファンだと思われてもなんだし・・・(^_^;)。
 このボディーに S-S-H は、やっぱり似合わない様な気がする・・・。

 2本並べてみると・・・、やっぱり、左の方がかっこいいよねぇ?。ん〜、センターを埋め木して、2ハムにすればいくらか良いかもしれないが、この美しい木目のシースルーに、下手な埋め木をした所で、不細工にしか仕上がらないよねぇ。とりあえず・・・・・

 センターのカバーを赤く塗って目立たなくしてみました(^_^;)。

 これで完成で〜す!(^○^)。

 センターを赤く塗っただけでも、ちょっと印象は変わりますね。だったら、多少見栄えが悪くてもちゃんと埋め木した方がよいかも?・・・・今後、やるかもしれませんが、今回はとりあえずここまで!

 まずは、世界でただ1本仕様のギターが出来上がりました!。

 


 

 さて、フロントピックアップを付けて、肝心の音はどうなのよ?ということですが、これはもう、最高ですよぉ〜!

 以前、センターシングル聴き比べ大会の結果、このグレコには、ダンカン HotRails のブリッジ用をのせる事で、フロント的な丸めの音を出す事に、決定した訳ですが、まずは、以下の視聴をお試しくださいませ。

長男センターとの比較
長男
センター位置に
HotRails ブリッジ用
 はい、まぁフロントとは言い切れないけど、リアの GIG MAX の高音の伸びと比較すると、フロント的な役割も、そこそこ行ける
次男
フロント位置に
HotoRails ネック用
 ハイハイ、やっぱりフロントにフロント用の HotRails は、良い音します。高音がすっきりのびているのに、丸くて明るい!取り付け位置もあまり丸くなりすぎない、この辺りがかえっていいかも?Ibanez RoadStar のフロントに近いものもありますねぇ。

 見た目が普通のギターっぽくなっちゃったのが、ちょいと残念ではありますが、 ギターとしては、これは最高の部類かも(^^ゞ。ミディアムハイのフレットも、ミディアムスケールのこいつには、ハイポジションもかえって弾きやすく、たいへん良い楽器となりました。とりあえず、大成功!と言う事にしておきますが、他の NYS-65 にも付けるか?と問われると、見た目の問題で、付けないかなぁ〜・・・。次男はレコーディングモデル、とでもしておきましょうかね!(^^ゞ。

2008.10.10


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