グレコ長男 ver.2へ |
グレコ NYS-65 も4兄弟となり、赤、白、黒と、冠婚葬祭にもばっちり対応できる様になりましたが、長男のゴールドパーツ化以外は、すべてまるっきりのノーマル仕様であります。
で、4台もあるんだから、1台ぐらい手を加えてもいいかなぁ〜、と思っていた所、丸加スペシャルから"GIG MAX" ゴールドが、余りましたので、白羽の矢を長男に向ける事になりました。
作業計画は2点。
1. フレットをジャンボフレットに打ち直し
2. ピックアップを、リア→"GIG MAX" センター→Jacksonに変更
で、あります。
この姿も見納めですね。(^_^;)
おー、ひょっとして、コイツをばらすのは、初めてかも!
まずは、フレット打ち直しでありますが、前回の丸加スペシャルの作業で、「アールを付けてから打ち込んだ方が良い」と学習いたしましたので、
最初の作業は、万力代わりにしたモンキースパナでのフレット曲げであります。
前回は裏に切れ目を入れていたのですが、そうするとどうしても均一に曲がらなかったので、今回は、裏に切れ目なしで曲げてみましたが、けっこう簡単に曲がるものですねぇ。ふむふむ、24本、ご覧の様にアール付け終了です。
上は、今付いているグレコのフレット、1弦側と6弦側の高さを見てもらえば、減り具合がわかると思います。ず〜っと、これ1本でやってきたので、減ってることは減ってますが、まだまだ使える範囲ではありまが・・・(^_^;)
上、左が元のグレコのフレット、右がJimDunlopのジャンボフレット。かなりサイズが違いますね。
で、あとは、切って打ち込むだけであります。
うぬ、今回はけっこうきちんと打ち込めているような・・・(^○^)
前回の丸加スペシャルでは、上手く打ち込めない部分を擦り合わせでごまかした・・(^_^;)、感があったのですが、今回はなるべく打ち込みを丁寧にやり、擦り合わせは最小限にしようと心がけました。
金属の定規を当てながら、丹念に出っ張ってる所をたたいてやると、けっこうそろってきます。
さて。フレットは程よい所までできたので、弦を張る前に、電気系の処理へと参りましょう。
左のグレコの"DRY"を右の"GIG MAX" & "Jackson" に載せ替えます。グレコの "DRY" 、実はオークションでもけっこう人気がありまして、しかもこのEMG風のカバードタイプはほとんど見かけないので、売りに出せば高値が付くと予想はされますが、これは手放しませんよぉ〜!(^^ゞ
"GIG MAX" は、たびたび登場していますので、今更説明は不要でしょうが、シングルの"Jackson"について、解説をば・・・
コイツはシャーベルに元々付いていたものなのですが、セッティングが弦に近いと、低音弦のハイフレットで音がうねる(ゆれる?)という症状があったため、シャーベルはフェルナンデスの、シングルサイズハムに変更してしまい、余っていたのでした、
ただ、この音が揺れるという症状、フロント位置のピックアップだけで、センターにマウントされていた時は影響がなかったので、フロントPUがない GRECO ならば、大丈夫ではないかと思ったのでした。
そしてこの Jackson のシングル、実はスタックタイプになっておりまして、シングルサウンドながら、低ノイズ、高出力なのでした。試したくなるでしょ!
配線も買ってから全然いじっていないノーマルです。ピックアップの交換に会わせて丸加スペシャルの回路にしようかとも思いましたが、結局いじりませんでした。
ん〜、やっぱりこのボディは美しい!
ピックアップの取り付けは、まぁ、普通にできましたが、1点、"GIG MAX" の取り付けネジをゴールドにしたのですが、
ネジがちょいと長くてボディーに当たるので、切りました。
取り付け完了!う〜む、長年見慣れていたギターだけに、なんか違和感のあるルックスになっちゃいましたねぇ。ノーマルのブラックカバードタイプの方が、おしゃれでしたが、ポールピースむき出しは、迫力だけはありますねぇ。
ついでに、裏のスプリングカバーを、秘蔵のレッドメタリックのものに替えてみました。(^_^;)
この穴の開いているタイプは、ふたをはずさなくてもスプリングのテンションが調整できるで便利ですねぇ。時々、これを逆向きに付けてらっしゃる方がおられますが、穴からドライバーを入れてスプリングのテンションを調整するための穴ですので、お間違えなく。(^_^;)
さて、電気系統が終われば、組み立てて弦を張ってみての調整となります。
丸加スペシャルの時の記事では書き忘れてましたが、ジャンボフレットでフレットの高さが高くなりましたので、ブリッジの高さはもちろん、ナットの高さも調整が必要です。丸加スペシャルの時は、元々ジャンボフレットだったので、ほんの少し上げただけでしたが、このグレコは、前のフレットとはかなり高さが違いますので、けっこう上げなきゃないですね。
ブリッジはスタッドをまわすだけですが、ロックナットは、何かスペーサーをかまさねばなりません。何かいいものはないかなぁ〜、と部屋を物色。
チューニングの狂わないストラトに付けたローラーナットに、金属製のスペーサーが付いてきていたので、試しに入れてみましたが、全然高さが足りませんでした。
そこで、薄めのピックを切って、上の様にナット下に入れました。オッケーオッケー!
いよいよ、ちゃんと弦を張っての試し弾きです。
フレットは丁寧に作業したかいあって、おおむね良好でしたが、やや気になる所を上の様にマークして、修正作業に入ります。
もう一度とりあえずたたき直してみます。あ、たたき方ですが、いろいろ試した結果、前回の様に金属を挟むよりも、上の樹脂製のハンマーで直接たたいてやった方が、上手くアールがそろえられると、学習いたしました。
どうしても上手くそろえられないフレットが3本ほどあり、そこは抜いてアールを付け直し、再度打ち込みました。で、最後に擦り合わせです。弦を張ると、わずかですがネックが起きてきますので、その分を見越して、削りすぎない様に注意しながら作業しました。
こんなものかなぁ〜?という所で再度弦を張ってみると・・・・。おっと!ばっちりじゃないですか〜(^○^) やはり2回目ですので、幾分腕が上がってきているようです。
完成でーす!
見た目はかなり変っちゃった印象ですが、やっぱりこのシースルーレッドは美しいですねぇ。
と、完成した後で、アコギ用ですが、こちらのページを発見してしまいました。あ〜、先に見ておけば良かったぁ〜(>_<)。先にフレットにアールを付けておくのは、正解だったようですが、いろんな道具を使うものですねぇ。
それと、やっぱり本当の作業は工程が多くて大変なんだなぁ〜、と感心しました。これなら2〜3万かかるのも納得かな。で、私のやった作業は、かなり雑で簡単な事しかやっていないと自覚しましたが、でも、弾いた感じは、別に不満はなく、かなり満足していたりします。(^_^;)
やっぱ、新品のフレットは弾いてて弾きやすいです。ウチにある他のギターも、フレットに定規を当ててみると、けっこうガタボコしてたりします。コイツらも、擦り合わせだけでもやってやろうと思っております。(^○^)
それでは、お待ちかね!ピックアップの聞き比べです。丸加スペシャルでディマジオの音をお聞かせしていなかったので、これも合わせて比較でございます。
使用機材は、いつものBossのプリアンプ "GL-100" です。このGL-100に付いて少々・・(^○^)
かなり古い機種で完全アナログのプリアンプですが、クリーンと歪みと2チャンネル仕様になっています。歪みのチャンネルは、オーバードライブが3種、ディストーションが2種、選べる様になっていまして、けっこういい音がします。特にディストーションの2が大好きなのですが、ハイとローが極端にカットされているかなり変な音でして(BOSTONとかやるには最高!)、今のエフェクターで言うとメタル系なのでしょうが、独特の音がします。なので、ピックアップの聞き比べでは、ノーマルなディストーションの1を使っています。
ボディー裏には小さなスライドスイッチが付いていて、アンプシミュレーター(スピーカーシミュレーター)の On/Off が切り替えられるようになっています。この時代、アンプシミュレーターなんてのは、あまり一般的ではなくて、かなり珍しかったはず。
昨今はデジタルのバーチャルアンプが全盛ですが、コイツは、ほんとにオマケみたいに裏に小さなスイッチが付いてるだけでして、たぶん簡単なハイカットをしてあるだけのようなのですが、この音が実に良いのであります。それに何より、圧倒的にノイズが少ないです。
うちにもデジタルのマルチエフェクターはいくつかありますが、性能は良いものの、ノイズが多いですねぇ。で、それをカバーするためにノイズサプレッサーなどが付いてますが、リリースの消え際はどうしても不自然ですし、そこだけノイズが聞こえちゃます。デジタルでアンプをシミュレートしてるんだから、ゲインをいっぱいに上げてもノイズのでないマーシャル、とか、作れないものですかねぇ?
それとコイツは、+4dB のバランスアウトも付いていまして、ウチのギターの録音には欠かせない機材となっています。(スペアで2台目も用意してあります)
おっと、脱線してしまいましたが、まずはクリーンサウンドです。
プリアンプのセッティング、録音レベルもいじらずそのまま録音しています。
クリーンハイ、"GIG MAX"の圧倒的勝利ですねぇ。ディマジオは、パワーはほぼ"GIG MAX" に匹敵していますが、こうやって比べちゃうとハイが出ませんねぇ。でもまぁ、スーパーディストーションって言うくらいで、歪ませるのが前提のピックアップですので、これでも問題ない程度であります。
エレキギターというのは不思議な楽器でして、歪ませてやることで倍音を増やしてやるという変な使い方をしますからねぇ。オーディオ的に言ったら、ギターアンプって、ハイは出ない、すぐ歪む、ノイズは多い、と、いい所が全くないのですが、それこそがエレキギターの音を形作る大きな要素になっています。グレコがかなり音が小さく聞こえると思いますが、至って普通のハムバッキングのパワーです。他の2つがでかすぎるのでした。(^_^;)
高音の抜けは、グレコDRYもなかなかですね。パワーと高音は、なかなか両立しないもので、ディマジオぐらいの出力だと高音は抜けないのが普通なのですが、やっぱり "GIG MAX" は、すごいですねぇ。Jackson も予想通り、低ノイズでかなりいい感じです。低音弦ハイフレットも問題なしでした。(^○^)
さて次は、歪みでございます。
ディストーションね、歪ませちゃうと、ディマジオもきれいに倍音が乗って、いい感じになりますね。3つともそれほど大差がなくなってしまいます。はは、ピックアップの違いなんて、ディストーション一つでどうにでもなっちゃう・・・・ものなのですぅ。(T_T)
ではでは、最後に、Ver.2へと進化した、グレコ長男をご機嫌で弾いている音を、お聞きくださいませ。
Naohiko Playing Greco NYS-65 with GIG MAX
上の音は、下のBOSS GX-700 で音を作り、GL-100 のクリーンチャンネルを通してライン録りしています。このGX-700で作った音、"My Distotion" と名前をつけていますが、どんなギターでもハムバッキングなら、ほとんど同じ音が出ます。(何のためにギターをいじっとんじゃい!(^_^;)。 音の作り方は企業秘密だけど・・・(^_^;)?、基本は、メタル系のセッティングです。
ハハ〜、歪ませちまえば皆同じ、それでもこだわるギターの音・・・かな?
2006.2.12