そこまでやるか!?フレット打ち直しに挑戦

 ネックを交換して、Ver.2 へと進化した 999円ギター「丸加スペシャル」ですが、問題発生!どうも1弦、6弦が弦落ちするのですねぇ。せっかくバインディングが入って、高級感&成金感がアップしたのですが、演奏に支障があっては本末転倒でありまする。

 で、ネックをよくよく見てみると・・・・

 フレットが短い?バインディングが入ったネックでは、「オーバーバインディングフレット」といって、バインディングの上にフレットがかぶさるような処理になっているはずなんですが、この部分がちょっと短く、さらに面取りもかなり中まで入っているところもあり、これが原因であります。そこで・・・・!

「ついに!フレットの打ち直しに挑戦!」

 であります。(^○^)

 試しに抜いたフレットを、以前のネックについているものと比べてみると・・・・

 ん〜、けっこう短いですねぇ。これでは弦落ちします。でもネックの形状は新旧とも同じでして、ロックナットもそのままジャストサイズで移植できたのですが・・・?? この新しいネックには、幅は同じで弦間ピッチだけが狭い、特殊なロックナットが付いていた・・・、としか考えられませんよねぇ。

で、手に入れたのが下の2種類のフレット。

 こちらは、Jim Dulop 製 #6000、ジャンボフレットの定番だそうです。ちなみにサイズは、

 上の様になっております。

 こちらは、Fender 製であります。初めてのフレット打ですので、とりあえずこの2種類を買ってみました。

 その他、いろいろと道具も必要ですね。

 上は、フレットを抜くための特殊ペンチ。

 非常に鋭利な刃が付いておりまして、指板とフレットの隙間にくさびの様に入れて、フレットを抜きます。作業中は、指板に傷をつけない様に、マスキングテープを貼っておきます。

 それから何か、しっかりしていて、でもネックを気づけないような台座が必要だろうと思いまして、上の様に、レンガにスポンジを貼付けたものを用意しました。専用の「ネック枕」なるものも存在するようですが、まぁ、これで大丈夫でしょう。

 そして上は、ノミですが、片面にゴムを貼付けて、金槌とフレットの間に入れて使おうと用意しました。

 フレット打のための専用のたがね、というのもあるようですが、とりあえずこれをゴムの面を下にしたり、金属面を下にしたりと、いろいろと試行錯誤いたしました。

 

 さて、道具は以上の通りですが、JimDunlop or Fender どちらのフレットを使おうかと、比べてみました。

 上の様に、Fender は、けっこうきつめにアールが付いていますが、Jim Dunlopの方は、全くアールなしです。今付いているのはその中間、と言ったところでしょうか。

 断面は上の通り。左が Jim Dunlop、真ん中が今付いているもの、右がFender です。今付いているものも、一応ジャンボフレットという事でして、Fender は、ジャンボフレットと書いてはあるものの、細いし高さもないし、さっぱりジャンボじゃないですねぇ。という訳で、Jim Dunlop を採用です。

 さあ、いよいよ作業開始です。右も左もわかりませんので、手探りで試行錯誤してゆきます。

 まず、オーバーバインディングフレットですので、指板に食い込む部分は、フレットの長さよりも短いですね。

 ヤスリで上の様に加工いたします。で、かるく溝に載せてみますと・・

 アールが付いていませんから、上のような状態になりますね。さて、アールはどうやって付けるんだろう?指板はポジションによっても微妙にアールが違いますし、何か専用の工具があるのかなぁ・・・・・、と思いつつもとりあえず、ハンマーでたたいてみました。

 ふむふむ、たたいてやると、ある程度指板にそったアールになるもんなのですね。でも・・・

 端っこはどうしてもフレットが浮いている状態になりますねぇ。(ーー;)  で、

 指板に食い込む部分に、上の様に3カ所(最初は2カ所にしていたが3カ所の方が良さそうと学習する)切れ目を入れて・・・・

 モンキースパナにビニールテープを巻き、簡易万力にして、手でかる〜く曲げてから打ち込んでみました。

 おー、けっこういいかも?上の写真の様に、長さもバインディングぎりぎりまでのばし、面取りも最小限にいたしました。ただ、やっぱり手で曲げて付けたアールは、いまいち微妙・・。手でなでてみるとちょっとでこぼこしてますなぁ。

 と、なんだかんだとやっているうちに、とりあえず24本、取り付け完了いたしました。

 ここまでで既に3日が経過・・・。ん〜、最初っからオーバーバインディングフレット&アールなしフレット、というのはハードルが高かったかなぁ〜。(^_^;)

 この後は、普通は擦り合わせの作業へとなる訳ですが、どうも今ひとつちゃんと打ち込めてない感がありまして、このまま、弦を張って試奏してみる事にしました。

 ん〜けっこう高さがバラバラです。真ん中の3〜4弦はまぁまぁですが、端の1〜2、5〜6弦は、ビビリや詰まり、所によっては抑えたフレットの上のフレットの音が出てたりする状態でした。難しいねぇ。(T_T)

 とりあえずヤバいところに、赤丸を付けてみましたが、ほとんどですねぇ。(^_^;)

 もう一度、各フレットを見直します。

 今度は金属の定規を当てながら、細かくチェック、ほとんどの所を抜いてアールを付け直しました。で、ある程度きつめにアールを付けてから、丹念にたたいてやると、けっこう結果が良い事を学習いたしました。また、何度も抜き差ししているうちに、溝がゆるくなっちゃった所もありまして、それらの所は木工ボンドをほんの少し入れてやって、対処しました。
 で、定規を当ててみて高いなぁ〜、と思った場所。そういう所も丹念にたたいてやると、けっこう引っ込みますねぇ。ただ、1弦側が高いと思ってそこを叩いていると、6弦側が浮いてくるってな場所もありまして、そういう所は一旦抜いてアールを付け直してから打ち直しました。

 アールの付け方ですが、今回は手で曲げてましたが、何か固くて丸いもの、できれば青竹ふみみたいな形の土台があれば、そこで鍛冶屋の様にトンテンカントンとやれば、上手く丸まるのでは?などとも思いました。何かそんな形状の使えそうなモノってないかなぁ〜?砲丸投げの玉でも買ってくるか?

 で、とりあえず打ち直し終了です。(ここまで、2回ほど弦を張ってはチェック、というの繰り返しています。)マスキングテープをはがし、フレットと指板の密着具合などを確認。こんなものかなぁ〜、となりましたので、次の工程、擦り合わせへと進みます。

 フレットの擦り合わせにも、専用のヤスリというのがあるのですが、結局の所、ちゃんと平面が出ていればいいだけでして、前回アリアのストラトの擦り合わせでも上のヤスリで上手くいったもので、ホームセンターで買える上のハンディタイプのヤスリで行いました。
 ただ、削り過ぎには注意して、ソロリソロリと削ります。この時も金属の定規を当てて、ここが高い!という所だけを最小限削る様にいたしました。

 上が擦り合わせ後のフレット、ね。ほんの少しだけでしょ。で、ここでまた弦を張り、試奏いたしました所ぉ・・・・・・(^○^)

 大成功! オー意外と完璧です。ビビリや詰まりもなく、かな〜りいい感じです。(^○^)

 このJim Dunlop のフレット、かなり高さがありまして、上の様に、弦を押さえても指板には触れない状態です。びわ状態?いや、スキャロップしてあるのと同じような状態ですねぇ。タッピングも音が出やすいです。こんなに高いフレットは、手持ちのギターでは初めてですが、ブログでもたまに登場する、超絶技巧ギタリスト"J.T." が使っているキャパリソンを見せてもらった時、確かこんな様に指板に触れないくらいの高いフレットでした。この高いフレットのおかげか、サスティーンも長くなった印象がありますよ。

 いやいや、なんだかんだと、作業は1週間ほどかかりましたが、結果はオーライで良かったです。最悪、前のネックがあるので、失敗したらそっちに戻せばいいやという気楽さもあったのですが、これで少し自信がつきましたので、他のギターもジャンボフレット化しちゃおうかなぁ〜。

 

 ついでと言ってはなんですが、実はリアのピックアップも替えてしまいました。

 いや音的には例の "Gig Max" で十分満足していたのですが、Rosalind のだるまちゃんに「ここだけ銀色なのは変だよぉ〜」と指摘され、真っ白なピックアップを探しておりました。エスカッションも白にしちゃったしね。

 単なる見た目の問題でピックアップを変えた訳ですが、Gig Max に対抗できるピックアップはそうはありません。で、ディマジオのスーパーディストーションを破格の 5,751円で、入手いたしました。いつものヤフーオークションで手にれたのですが、届いた時は4芯のケーブルがタッピングされシングルになった状態で固定されておりました。配線の処理はきれいだったのでリペアショップでやってもらったのかもしれませんが、ディマジオのスーパーディストーションを、わざわざシングルオンリーのセッティングにして使うってのは考えにくいので、間違ったのでしょうねぇ。 前の持ち主さん、シングルの音だけ聞いて気に入らずにオークションに出したのかもしれませんねぇ。
 で、ちゃんとハムバッキングに配線し直して音だししてみた所、ん〜さすがディマジオの中でも高出力を誇るスーパーディストーションですねぇ。パワーはほぼ "Gig Max" に匹敵しています。で、"Gig Max" は中域に癖があるのが特徴だったのですが、ディマジオはきれいにフラットに上の方まで出ている印象があります。なので、音作りもけっこう扱いやすいですね。(^○^)

 というわけで、フレットを打ち直し、リアピックアップを交換した丸加スペシャル!ネックを取り替えただけで Ver.2 と名乗っておりましたが、これで真の Ver.2 という事にいたしましょう!

  

 


 

 さて、今回のフレット打ち直し、アールの付け方で非常に苦労しましたが、Fender の方のアールが付いているフレットだったらどうだったのか?気になりますよねぇ。(気になるのはオタクな私だけ?)

 で、実験いたしました。
 部屋に転がっている(転がっている所がオタクか?)ジャンクなネックで試してみました。

 1本抜いて、Fender と並べてみました。写真の通り、Fender の方がアールがきついですね。で、これを打ち込んでみると・・・・・(゚.゚)

 あ〜ら不思議!ただたたいてやるだけで、ぴったり指板にあってしまうではありませんか!

 打ち込んだ後のを引っこ抜いて、未使用ののFender と比べると上の通り、アールが変っていますねぇ。まぁ、この Fender のフレット、ジャンボとは名ばかりの細身だから簡単に曲がるのかもしれませんが、 な〜んだ、アールの付いてるので作業すれば、簡単なんじゃないのぉ〜、って思っちゃいました。さぁ〜、次はどいつをジャンボフレットにしようかなぁ?(^○^)

2006.01.29

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