夏休みの工作-光るピックアップ


 この間のフリーデイのライブで、丸加スペシャル Mark II に取り付けたおもちゃ、公開しちゃいましたが、何の事は無い、シングルコイルのピックアップカバーに、白色 発光ダイオード を仕込んだものでした。(^_^;)。馬鹿にされるかと思いきや、意外と評判がよく・・(^_^;)。オンザロックスの”K”さんから、「俺のにも付けてくれ!」とのご依頼を頂きました。で、付けるギターが本物 GIBSON の SG!え〜、そんな高いギターに・・いいの?で、フロントのハムバッキングに 12 個、仕込んでほしいとの事でした。 

 危惧された点が少々・・・。SG って、手にした事は無いのですが、ボディーが薄いですよねぇ。電池を仕込むスペースがあるのか?そしてピックアップも高さのあるものは入らないのではないか?また、丸加スペシャル Mark II の方はシングルのPUサイズだったので、ピックアップカバーで作れたけど、ハムバッキングのサイズ・・、入れ物から作らなきゃ無いよねぇ。上手くフェイクできるか?

 まぁ、とりあえずやってみましょう!


 まずはパーツやさんで部品の調達・・、っつっても、LED と抵抗、電池スナップと配線材が少々だけです。総額1500円弱。12 個仕込むのだが、抵抗の付け方ははどうするか?

http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2008/0724/musashino003.htm

 上のページに抵抗値の出し方の説明がありますが、なるべくコンパクトに作りたいので、ごてごてと抵抗をいっぱい付けるのは避けたい・・・、んで、LED 2個を直列にし、さらにそれ2列に1個抵抗を付けて、抵抗3本で済ませようと思いました。式的には、2個直列の回路が2こ並列に入っているので・・・

(9.0v − 2.0v × 2 ÷ 2 ) ÷ 1000Ω = 0.070A

 で、多分 1 kΩをいれればいいか?って感じですが、念のため、蛇の目基盤にラフに組んでみました。

 抵抗値を変えて、明るさを見てみましたが・・・

 まぁ、1kΩで良さげです。(^○^)。

 

 さてそれでは、ケースを作りましょうか。こいつが一番の難関です。ぱっと見では、LED が仕込んである事が分からないようにフェイクしておかないと、本番でのびっくり度が違いますからねぇ〜(^_^;)。”K”さんのご要望では、というか、リアハムもオープンタイプの黒が付いていましたので、黒で制作しますが、せっかく光るんだから、半透明にしといた方がピックアップ全体がもやっと明るくなるかも・・?ということで、

 ジャンクなミニストラトのピックガードを作った時に余っていた、半透明の塩ビ版を表面に使う事にいたしました。

 こつこつ削りま〜す。

 で、だいたいこんな感じになりました。

 そして LED を取り付ける穴あけです。

 ちょっとピックアップらしくなってきましたね。では、LED をとりつけてみます。

 LED は表面からあまり飛び出すと、ポールピースっぽく見えなくなるので、半分くらい顔を出した所で、瞬間接着剤で固定いたしました。

 さて、問題は裏側ですねぇ。SGはピックガードからつり下げねじを使って固定するタイプ。その取り付け部分も作らなきゃ無いですし、LED や抵抗は、空中配線の予定なので、金属でない方が良い・・、ホームセンターなどいろいろと見て回りましたが、いまいちコレ!ってのが無くて、部屋をゴソゴソと漁っていたら、ふと目についたものが・・・

 カセットテープのケースであります。最近の薄型ではなくて、昔ながらのやつです。テープのリールの芯の所を固定する部分が2カ所、柱上に出っ張ってて、しかもヘリの部分とのサイズが偶然、ピッタンコ!こいつで作りませう!

 先にカッターの刃を付けた半田ごてで、切り出しました。

 ノギスを持っていって、現物の SG のサイズは測ってきていましたので、手持ちで同じ様なサイズのピックアップを参考に整形してゆきます。

ここからは、また削り作業です。

 こんな感じになりました。で、表面の部分と合わせてみると・・・

 裏面には、4カ所穴をあけています。縦に並んだ LED は2個ずつ直列につないで、その2個セット(全部で4個のLED)ごとに穴から足を出して、抵抗の空中配線は、ケースの外側でやろうという計画です。

 で、一応動作チェックも・・・

 この段階では、裏面のカセットから切り出した透明部分のプラスチックは、まだ固定していません。現物に合わせてみないと、取り付けねじの部分の大きさとか、新たに削る可能性もありますからね。で、この状態で”K”さんに見せて、オーケーを頂き、SG を受け取って参りました。


 こちらが取り付ける SG です。

 私は初めて触ります、SG 。(^_^;)。元はピックガードが黒だったものを青木楽器さんで白に改造して頂いたそうです。合わせて、つまみ類もストラト用の白に変更してあります。

 そしてボディーは単版ですねぇ。オールマホ?

 初めて触った SG ですので、音も聞いてみましょう!一応比較対象は、シャーベルのリアのダンカン JB(TB-4)にしてみました。

GIBSON SG
Charvel rea
Duncan JB

 あらら、弦高低すぎて、チョッパー状態になってますねぇ。フレットに当たって弦がまともに振動出来ない状態です。ネックはやや順ぞり。でも、”K”さんは、ほとんどローコードでじゃかじゃか弾くだけだから、あまり気にならないのかな?ちなみにローコードでかき鳴らしてみると・・・

GIBSON SG ローコード

 まぁ、何とかなるか?(^_^;)。でもこれじゃあんまりなセッティングなので、ブリッジを調整し、オクターブチューニングも合わせ直してみました。

GIBSON SG 調整後

 これでも、私だとまだ弦高が低い状態ですが、かなり鳴るようになったでしょ!音的には、パワーは抑えめで、高域がわりと抜けるタイプですね。JB と比べるのはちょっと可哀想かな?(^_^;)。でも、このギターの一番の良い所は、その「軽さ」と「弾きやすさ」であります!マホガニーの極薄ボディーは、とても軽く、そしてストラップでつり下げた時のバランスもグッド!たいへん取り回しの楽なギターであります。アクション付けてコードをかき鳴らすには、とっても良いギターですね。

 それと・・・

 ハイポジションが驚くほど弾きやすいです。何しろ完全にボーディーから出た所にフレットがありますから、22フレットでも、普通に12フレットあたりで弾いてる手の形で弾けちゃいます。GIBSON さ〜ん、あと2フレット足しましょうよ!スペースも空いてるし・・(^_^;)。24フレット仕様でも楽々弾けると思うんですけど・・。

 それと、もう一つ弾きやすい訳が・・・・

 このネックの仕込み角ですねぇ。レスポールよりもきついかな?フロントピックアップのあたりでは、弦はすぐボディーの上ですが、ブリッジの位置では、上のようにかなり高い所を弦が通っています。ギブソン系のギターの良い所はここですよねぇ。この仕込み角のおかげで、ピッキングがとてもしやすいのであります(私にはね)。フェンダー系はボディーとほぼ平行に弦が通っていて、ちょっとピックを深く入れるとピックガードに当たったりしてしまう所が、私はちょいと苦手であります。

 

 余談ですが・・・

 去年だったかな?知り合いの知り合いで、フェンダーのテレキャスとギブソンのレスポールでオクターブチューニングが合わないので、見てくれないか?といわれ、調整しにいった事がありましたが、どちらもひどい状態だった事があります。ネックがそっちゃってて、特にテレキャスの方は、12フレットあたりはすごく弦高が高いのに、ハイポジションでは音が詰まる状態。レスポールの方も6弦の12フレットより上では、弦がフレットに当たっちゃってて、まともに音に鳴らない様な状態。おそらく、ネックが順ぞりで、弦高が高くて弾きにくいのでローポジションに合わせてブリッジを下げた・・、でハイポジションでは、完全に弦がフレットにくっつくような状態・・・、ご本人はどちらもいい音が出る良いギターと思ってる様でしたが・・・、人様の本物のギブソンやフェンダーのトラスロッドをいじる勇気は、私にはありませんでしたので、まぁ、出来るだけオクターブチューニングを合わせて、お茶を濁して帰って参りました。
 なんぼ高い楽器でも、調整をちゃんとしてないと、その辺のジャンクギター以下ですねぇ。(^_^;) それに手にした質感は、全うではあるけど、そんなに飛び抜けて良い感じはしませんでしたよ、GIBSON も FENDER も。
 レスポールだと、前に修理を頼まれた、オービルの"by GIBSON"じゃないカスタムのやつがすごい良かったし、グレコのミントコレクションのレスポールも非常にソリッド感の高くロングサスティーンの良いギターでしたねぇ。噂によると、Burny (Ferrnandes) のある時期のレスポールはすごく良いらしい・・・(^^ゞ。あと、ハービー(春日楽器)やトーカイの最初のやつも良かったなぁ〜。国産万歳!

 

 さて、それでは裏蓋を開けてみましょう!

 ん〜、予想はしていましたが・・・(~_~;)。薄い SG のボディーでは、電池を入れる隙間がありませんねぇ。

 (この狭さだと、SG にアクティブピックアップをのせるのは、不可能ですねぇ。)

 では、ピックガードの中も見てみましょう!

 ブリッジのスタッドはアンカーを埋め込むタイプ。そしてブリッジのスタッドを外さないと、ピックガードが外せないのね?(^_^;)。

 じゃぁ〜ん!ふむふむ、レスポールとかと同じ様なザグリですね。フロントにブツを入れてみると・・・・

 ありゃ、高い!入らない?

 ボディー裏での抵抗の空中配線の分、収まりきらない様です。はい、路線変更!

 抵抗は裏側ではなく、横から出す事にいたしました。というのも・・

 配線を通すためのザグリが幅が広いので、ここで配線出来そうだったのであります。

 横から出た配線には、熱収縮チューブをかぶせて処理し、電源用の配線もつなぎました。さあ、これでピックアプは良さそうですので、裏のケースを接着します。

 アロンアルファで接着です。万力と洗濯バサミ(デカッ!)で固定して、念のため一晩ほっときました。

 さて、今度はピックガードへの取り付けですね。あらかじめ付けておいた印とはちょっとずれてますね。ここは、現物合わせが一番です。とりつけは・・.

 台座にねじを切ったりってわけには行きませんので、ナット2個で挟んで止めました。どうせピックアップの高さを調整したり・・・という必要がありませんのでね!

 ピックガードを取り付けて・・

 動作も確認!

 けっこうまぶしいです。12個は強力?

 さてそれでは、裏のキャビティーに参りましょう。

 今回はフロントピックアップは、音が出なくなりますので、無用になるフロント用のトーンのポッドを小さいものに変更する事を”K”さんに了解いただきました。

 ギブソン恐ろしや・・ポッドにもすべて"GIBSON"の刻印が入っているんですねぇ。そんな事してるから値段が高くなるんでないの?(^_^;)。

 トーンのポッドを手持ちの小さいのに変更。

 フロントのトーンだけ、出っ張っちゃいましたねぇ。サイズは小さいのにシャフトは長いのね。通常は中にワッシャーをかまして、高さを調整するのですが、今回はなるべくキャビディー内のスペースを確保しなければ無いので、シャフトの方を削ります。

 さあ、これで、電池が入ると思うのですが・・・。

 ありゃ、高さはオッケーな様ですが、サイズが・・・アウトプットジャックに干渉しちゃいますねぇ。(>_<)。で、ボリュームの方のポッドも小さいのに変更。無事電池が入りました。そして、

 アウトプットジャックも、ステレオのタイプに変更です。アクティブピックアップを仕込む時と同様、ジャックを差し込む事で電源が入るようにします。でないと、ケース入れて持ち歩いているうちに、ピックアップが光ってる、ってなことになりますからね。

 あ、オン/オフのスイッチは、ピックアップレクターのスイッチをそのまま流用しました(なるべく外観を変えない事が今回は大事!なんせ、本物 GIBSON ですので・・・)。リアピックアップはそのままサーキットを通して、アウトプットに直結です。

 ハイ、配線終了!電池の固定は・・・

 キャビディーの蓋の内側にスポンジを両面テープで貼付けました。これで蓋を閉めれば、電池が固定されます。

 で〜〜〜!完成で〜〜す!!

 で、実際にこのギターを光らせたライブを見て参りましたが、”K”さんだったら、もっと派手でも良いかも?と、思ってしまいました。(^_^;)。とりあえず次は自動で点滅させようかな?色もいろいろ混ぜた方が良いか?でも、SG はスペースが無いので、これ以上基盤を入れるのは無理ですね。

 材料探しで、ホームセンターをうろうろしていたら、「LED式回転灯、1980円」というのを見つけてしまったんだけど・・・・、アレばらしてギターに入れたら・・・・・(^_^;)。

 いや、まだ買ってませんから〜!

 以上、夏休みの工作でした!

2008.09.02


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