ネック折れの Tokai Reborn レスポール修理 |
友人から持ち込まれたのは、ネック折れのTokai のレスポール。
しかも"Reborn" です!確か、商標の関係で、数年で "Love Rock" に変わってしまったはずですので、1980年前後の一番良い時のものですねぇ。
しかし、トップは3Pですので、少し後から出た安いやつのかな?フロントピックアップを外してのぞいてみると・・
"LS50BS" とあります。ということは、5万円のモデルかな?でもこのクオリティーで5万円は、びっくりですねぇ。"BS" はブラウンサンバーストですね。
ピックアップは、goto製でした。
さて、ネック折れの状態ですが・・・
ネックというよりは、ヘッドの付け根からパックリ。それを針金やネジやガムテープ、接着剤で固定しようとした跡があります。それらを慎重に外してみると・・・
割と一気に裂けてる感じ?幸い、トラスロッドには影響なさそうなヘッド部分だけのようですので、強度さえ出せれば、精度は関係なさそう・・、私にも出来るかも?ダブルネック作りで、補強材を入れての接着は少しはスキルが上がりましたからね。(^_^;)。
計画としては、傷口を綺麗にしてからタイトボンドで圧着、その後、裏から穴を掘って補強材を入れて、エポキシで固める、と考えました。現状では楽器として使えない状態ですので、弦を張って弾けるだけで丸儲けですから、仕上げの塗装とかはそれなりで良いでしょう・・(^_^;)。
どうせ私の仕上げでは、このギターの塗装には追いつきませんのでねー。まずは接着剤のようなものが残っているところをカリカリとこそげ落とします。
途中でクランプをかけてみたりして、隙間具合を確認・・
で、タイトボンドを塗って、本格的に接着です。二日ほどこのまま置いておきました。
おそるおそるクランプを外してみると・・・。
こんな感じになりました。少し隙間が空いていますが、触った感じでは、しっかりとくっついているようです。
私の接着は結構アバウトですので、これから先の補強材が大事です。このレスポールは当然マホガニーネックですが、強度が必要と思われますので・・・。
部屋に転がっているジャンクなネックから上のような角材を切り出しました。一応メイプルのようです。
ネックに当ててみて、入りそうな大きさに整えて、マジックで大体の形を書きました。角材2本でなんとかなるでしょう・・(^_^;)。そしてこのマークしたところを・・・
彫刻刀で掘ってゆきまスゥ〜。マホガニーなので、サクサク削れちゃいますねぇ。エポキシを流して固定する予定ですので、例によってアバウトに削っていますが、時々補強材を当ててみて、そこそこの形に整えてゆきます。
穴は、こんな感じ。
補強材を入れてみて、出っ張る部分をカット。
穴を掘ったところの断面の接着部分をみると、タイトボンドはちゃんと入っているみたいです。
補強材をはめ込んだ状態で、ペーパーがけ。そして・・・・
毎度のエポキシ野郎でございます。マホガニー部分は、結構染み込みますので、ちょっと多めに入れてやりました。
もう片方も同様に作業。2回目だと少し上手くなっているか?
そしてまたエポキシ!。接着した境目や、無残に空けられていたネジ穴なども塞いで行きます。ん〜、ちょっと雑すぎないかぁ?(^_^;)。
さて今度は、前面です。突き板の隙間を埋めてやりますので・・
エポキシに黒い塗料を混ぜてみました。
なんとかなるかなぁ・・・?
あとは、仕上げですねぇ。これが一番問題です。
ここまでで、楽器としては問題なく復活できそうなので、できれば仕上げも綺麗に行きたいところですが、なにぶん技術が追いつきません。裏は、マホガニーの中にメイプルの補強材ですので、そのまま塗装しても色の差が激しいだろうという予想のもと・・
この辺りの塗料が役に立つだろう・・・、ということで、メイプル部分に着色をして、マホガニー部分にクリアを軽く塗ってみました・・・
ん〜、行けそうな気もする〜!
マホガニー部分は吸い込みが多いだろうから、目止めもしなきゃないよなぁ・・と、赤との粉も使ってみました。この場所だけの塗装ですので、刷毛塗りです。技術がないのが自分でもちょっとがっかりですが、頑張りましょう。
クリアの塗り重ねだけでは、随分と色が明るいので、途中からクリアに、上の着色剤などを混ぜたりしながら、試行錯誤で塗り重ねてゆきました。水研ぎしてぇ〜コンパウンドで磨いて〜・・・
こんな感じです。ちょっと赤っぽかったですねぇ。それと境目の部分にうまく色が乗りませんでした。でもまぁ、初めてのネック補修にしては、こんなもんでしょうかね。メイプルの補強材の部分は遠目にはそんなに目立たないかなぁ〜。クリアの前に全体にブラウンの着色をすれば良かったのかもしれません。
表側は・・・
きれいに、とは行きませんでしたが、こちらもこんなもんかなぁ・・?弦を張ってロッドカバー をつければ、いくらか分からなくなるかも・・・(^_^;)。
そして、この TOKAI 、ナットも欠品でしたので、こちらは新しく、人口象牙"TUSQ"の溝切りずみのナットを購入しました。
サイズは合っていたので、底面を削って高さを調整するだけでいけました。
あとは・・、ロッドカバー が欠品でしたが、突き板に少し隙間が空くような接着具合でしたので、ネジ穴の位置が少し広くなっているようなので、こちらは廃品利用で手作りすることにしました。レスポールといえば、ベル型のロッドカバー ですよねぇ、作れるかなあ?
はは、CDケースを利用(^_^;)。ネジ穴の距離を合わせた型紙を張って、切り抜いて行きました。
ちょっと雑ですけどね。本当だと、2P 3P の板で白い縁取り線を出したいところですが、今回はこんなもんで..。
で〜〜〜〜、完成で〜す!
パーツ類も磨き直して、ちゃ〜んと使える、なかなか良いレスポールになりました。ボディーの塗装も綺麗ですねぇ。他に大きなダメージがなく綺麗な状態でしたので、立派な "TOKAI REBORN"になりました!
今回は、ナット部分まではちゃんと残っている状態でしたので、私でもなんとか修理できましたが、ネックの途中とかで、トラスロッドの利きが関係してくるような部分は、精度や接着の仕方が難しそうなので無理なような気もしますね。
それにしてもエポキシ接着剤って、便利だなぁ〜 ( ´ ▽ ` )〜〜。
2018.05261