ソフトウェア音源の時代!? EXS24の仕様感など

 目指すは一極集中型!?

  シーケンスソフトは、音に関わるものはとにかくすべてを取り込み、それ一つで済んでしまうような、一極集中ワークステーション型を目指しているのは、あきらかな方向性ではありましたが、ここに来て専らのハヤリは、ソフトウェア音源でしょうか。

 出発は単なるMIDIシーケンスソフトで、MIDI対応の楽器を集中的に管理するのが役目でしたが、HDRによるオーディオ機能の追加によって、もうシーケンスソフトという呼び方は、合わなくなっちゃいましたよね。そのオーディオ機能にしても、はじめは単体のMTRをHDRに置き換える、というのが出発点でしたが、パソコンの性能アップにつれて、エフェクトが追加され、ミキシングオートメーションが充実し、外部ミキサーやアウトボードのエフェクターも、どんどんパソコン上のソフトウェアで置き換える方向へとやってきました。

 実際うちでも、外部ミキサーは、MIDI音源をまとめるのと録音時のモニター用のMIXにしか使っていませんし、アウトボードのエフェクター(たいしたものは持っていないのだけれど・・・・)も、録音時のプリアンプ&コンプレッサーぐらいしかまともに使って無いですねぇ〜。苦労して配線したパッチベイも、単なるケーブルのスパゲッティオブジェと化してたりします。(^_^;)

 で、ついにシーケンスソフトは、今度はMIDI音源のつまったラックを飲み込もうとしているわけですなぁ。

 で、LOGIC AUDIOの場合

 LOGIC AUDIOには純正、というかほとんど内蔵のソフトウェア音源が、現在3種類あります。

 ●ES1  アナログシンセ

 ●EXS24 サンプラー

 ●EVP88 ビンテージエレピ

 この3つは、既にLOGIC AUDIOのメニューに組み込まれていまして、それぞれを購入すると使えるようになる、ってな仕組みになっています。このうち、私が購入したのは"EXS24"です。

 この他にも、他社のソフトウェア音源もVST Instrumentsとして、当然扱えます。 最近ではLOGIC AUDIOのコピーには「ソフト音源のためのハブ・ソフト〜」なんて書かれているぐらいでして、この方面への力の入れようが感じられます。
 純正以外でのVST Instrumentsでは、いま私は以下の物を入れています。(どれもフリー!ヘヘ)
    mda JX10  ローランドのアナログシンセ系をシミュレートしたもの、なかなか使えます。
    mda dx10  その名の通り、FM音源DX系の音
    mda piano  ピアノね
    neon    アナログシンセ

さて、EXS24の使い心地は?

 ほら、ソフトウェア音源って、反応が遅くて鍵盤でリアルタイムに弾くにはちょっと・・・、ってなイメージがあるじゃないですかぁ。ところが実際に使ってみてびっくり!今はもう手放せませんワ!
  ・・・・って、これじゃ某洗顔料のCMみたいですが・・・・・(^_^;)
 でも、ほんとにそんな感じです。プレイバックサンプラーとしては、ほぼ文句のつけようがないんじゃないでしょうか?単体外部音源とくらべて、レイテンシーは特に感じられませんし、LOGIC+EXS24はCPUへの負担もかなり軽い様です。(他のソフトウェア音源のことはあまり知らないんだけど)

 しかもサンプラーをパソコン上で実現するというのは、ふつうの音源以上にメリットがあります。
まず、メモリーの使用量を気にせず、高品位の音色を使えますね。最近のハードウェアサンプラーは256M位までメモリーを拡張出来るようになっている様ですが、パソコンなら1Gくらい、わけなく積めますからねぇ。
最近AKAIのサイトで無償公開された256Mもあるピアノの音色なんかも、コンバートして快適に使えてたりします。(^○^)

 そして、音色(サンプル)の保存、管理にも事欠きません。ハードウェアサンプラーにCD-ROMやらハードディスクやら付けるより、すでにあるパソコンの物を使う方が、理にかなっていますねぇ。実際うちで使っているAKAIのサンプラーだって、音色はマック上に保存してあって、SCSIでデータを転送して使ってますからねぇ。

 そしてそして、サンプラーに限らず、ソフトウェア音源(特にLOGIC純正)を使うことの一番のメリットは、電子楽器をも含めたトータルリコール環境でしょう。エクスクルーシブで音色のダンプを取ったり、不安定なSCSIでサンプルを転送したりといった、非音楽的な作業から解放されるのが一番うれしいですね。かつてMIDIとオーディオがそうなったように、ファイルを開くだけで、音源の情報がそのまま再現されるのは、ちょっとした開放感があります。内蔵音源だけで済むなら、MIDIそのものからも解放されます。

 さて、まるでメーカーの太鼓持ちのような褒め言葉ばかりが並びましたが、個人的には多少不満もあります。プレイバックサンプラーとしては、ほぼ満足がいくEXS24ですが、永年のAKAIユーザーとしてはループが一つだけ、しかもループの継続時間が指定できないのは、ちと辛いです。楽器のシミュレーションでは不便はないのでしょうが、フレーズサンプリングや自然音のサンプリング&加工では必要、っていうか、私の体では当然あるはずの機能になっているので、そう言う場合はやはりAKAIのハードウェアサンプラーを立ち上げることになります、現状では。そう言う作業はEXS24ではなくLOGIC AUDIO側でやってね、ということかも知れないし、ある程度はそれで済むんだけど、それだとベンドやコントロールチェンジでグリグリ出来ないですからねぇ。
まぁ、そのうちバージョンアップで機能追加されることを楽観的に期待しています。

さてさて、まとめ

 電子楽器って今や中身はほとんどコンピュータですからねぇ。これからもハードウェアMIDI音源はどんどんソフトウェア化されてゆくでしょうねぇ。さらに、EVP88などもそうですが、デジタルではなかったはずのこんなのや、こんなのもソフトウェア化されて、どんどん蘇ってきてますし、ここ数年はとても楽しめそうな気配です。
 個人的には、ROLANDのJV2080クラスの、しっかりしたスタンダードな、何でもそれなりにこなせる、それでいて軽〜く動作するソフトウェア音源が欲しいんだけどなぁ〜。ローランドさ〜ん、初心者向けじゃなくてプロ向けのソフトウェア音源、そろそろ出しませんかぁ〜、VSTでね。

 それにしても、CPUへの負担が大きいHDR環境も、G4 MACでエフェクトも軽くなったなぁ〜と喜んでいたのに、この先ソフトウェア音源がどんどん増えて行くとすると・・・ソフトとCPUの追っかけっこは、いつまでも終わらないのでしょうねぇ。(終わっちゃうと儲からなくなりますからねぇ)

2002.6.6

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