データの保存と管理

 

 データの保存、管理、再利用が簡単である事もHDRの利点です。

 CMの仕事だと「去年作った素材を一部変更して今年も・・・」ってな発注がけっこうあります。ナレーションの一部差し換え等ですね。で、うちでは基本的に録音したすべての素材を保存しています。アナログMTRの時代はこれが結構な量でして・・・さらに目的のテープを探し出すのも大変だし、MTRのマルチのテープはあっても、エフェクトやMIXまでは再現できない環境でしたし、この点はホント、パソコンベースのデータになって飛躍的に楽になりました。

 具体的には・・・・
 複数の仕事が平行して進んでゆくうちの環境では、HDR用のHDの中に仕事ごとのフォルダを作り、その仕事の素材は全てそのフォルダの中に作ってゆきます。仕事が完了すると、そのフォルダを取引先別のMOへコピーし終了となります。取引先別MOには通し番号がふってあり、1枚のMOがいっぱいになった時点で、CD-Rへと焼きます。いっぱいになるまでの間は、サーバーのHDへもコピーを作っておきます。また1日の業務終了時には、HDR作業用のHDも丸々サーバーへバックアップしておきます。同じデータのコピーが3ケ所にある事になりますね。
 パソコンでのデータ管理はとっても便利ですが、壊れる時は突然壊れます。そして壊れたと気付いた時はほとんど修復できないものです(経験より)。業務で使うデータのバックアップは、念には念を入れる事が大切です。

 さて、こうやってデータを溜め込んでゆくと、今度はMOやCD-Rが膨大な量になり、素早く検索できる体制が必要となりますね。そこでうちでは、Disk Folderというシェアウェアのソフトを使っています。これはMO等のボリュームをアンマウントする時に自動的に中身のカタログを作ってくれるアプリケーションです。メディアを取り出す時に、ゴミ箱にの代わりにこのDiskp Folderのアイコンにドラッグするだけです。探し物をする時は、Disk Flderを起動し検索をかけ必要なディスクを見つけます。またこのDisk Folderは単一アプリケーションで、機能拡張の類いも追加しませんので、HDR環境でも安心して使えます。

 

 Logic Audioのデータについて

 Logic Audioで録音したサウンドデータは、SoudDsigner2形式のファイルとして、HD上にLogic Audioのファイルとは別に作られます。AIFFやWindows WAVへの変換も可能です。ですので、そのまま他のアプリケーションやサンプラーなどでそのファイルを扱えます。また、よそからサウンドファイルを頂いて使ったり、うちで録音したファイルをそのままよそへ渡す事も簡単です。
 MIDIデータやエフェクト、サウンドファイルのシーケンス、MIXの情報ほかLogic Audio上で制御できるデータは、統べてLogic Audioのファイル上に保存され、ファイルを開くだけでトータルリコール環境が実現できます。複数の仕事を平行してすすめる際には、便利な事この上ないですねぇ。(^^ゞ

 

 サウンドデータのライブラリー化

 良く使う物、SEやS.L.などは、ライブラリとしてHD上やMOなどにためておいて、必要な時にコピーして使う事が可能です。パソコン上で単に複製を作るだけですので、簡単ですね。検索も通常のファイルの検索で行えますので、ファイル名や階層化にちょっと工夫しておくと便利ですね。

 

99.12.1

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