なんでパソコンベースなのか?

 

  デジタル環境っていったって、ADAT等のテープベースのデジタルや、専用ハードを使ったデジタル録音環境もありますね。ではなんでパソコンベースのHDR環境にしたのか?まあ、理由はいろいろあるのですが・・・タイミングもありましたねぇ。

 じゃぁ、昔話モードから・・・(^_^;)

 最初はやはりアナログMTRを使っていました。これもやっぱりお金がないので民生用の8Trackのやつ。で、案の定1〜2年でガタが来ては買い替えるというのをくり返していました。それに素材のテープがどんどんたまってゆく。でもまぁ、それなりに使い勝手も良かったし他に手に入れられる環境もなかったし・・・・ですね。

 次に移行したのが、AKAIのサンプラーでの録音。S1100という機種が出た時、オプションとかもフル装備で買っちゃいまして、当初はいわゆるサンプラーとして使うつもりで導入したのですが、ナレーションなどもこれで録音し出しました。TimeCode上のQ-listで編集できたし、内部でエフェクトもできたし、入出力もデジタルでできたし、DATAはすべてDATに保存で来てトータルリコール環境もあった。録音時はマルチトラックでは使えなかったけど、もうほとんどフルデジタル環境と言えば、そうでした。HardDiskRecordingならぬRAM Recordingでしたねぇ。サンプラーをこんな使い方してるやつは、他にはいないだろうなぁ〜と思いつつも、この環境で3〜4年過ごしました。

 この時の問題点は、録音中の同時プレイバックが出来ない事と、MIDI環境は別に専用シーケンサーを使っていたので、音声データとはデータ管理が別であった事かなぁ。そうそう、ちっこい液晶だけでの編集作業が大変でした。

 そのうちこのS1100君も働き過ぎのためか、時々原因不明の電源断という病気にかかりまして(RAMで作業してるから作業中に電源落ちるとパァーなのよぉ〜)修理に出さなくちゃならなくなったのですが、その間の代替環境がない!サンプラーの現行機種はぁ〜、とカタログを見るとありゃ!Q-listの機能が無くなってるぅ!やっぱりサンプラーでこんな使い方してたのは俺だけだったかぁ〜(T_T)、こうして将来的なデータの互換性にも不安が出、新しい環境を模索する事なりました。

 

 ふぅー、ここからがやっと本題?!

 幸い仕事は別にして、Macは以前から使っていました。そしてMacでは昔からProToolsというHDR環境があるのも知っていました。またMIDI環境に関してもMacでは優秀なシーケンサーがいろいろ揃っているのも知っていました。ではなぜもっと早くそちらに移行する事を考えなかったかと言うと、ProToolsはHDRのみでMIDI環境は別に用意しなければならない、と言うのが引っ掛かっていました。

 この頃1996年当時、MacはPowerPCの2世代目がPCIベースになり、CPUの処理能力や音声入出力ボードの機能もまずまずMTRとして実用になる状態になりました。そしてMIDIシーケンスソフトがHDRに対応(対応はもっと前からしてましたが、安定してMTRとして使える状況に)になって来た時期でもありました。まさにタイミングよかったのですねぇ〜。

 で、この頃、インターフェイスは独特ではあるものの(今となってはスタンダード?)HDRはもちろん波形の編集からQuickTimeMovieとの同期、正確なタイミングの管理と、他より一歩抜きん出ていたシーケンスソフト"Logic Audio"の存在を知りました。ミュージシャン上がりとしては、やっぱりパフォーマとかキューベースとかが憧れのシーケンスソフトだったのですが、Logic Audioのデモ版を入手してみた所、QuickTimeMovieと完全にシンクロしてMIDIもAudioもまったく一元的に扱える様を目の当たりにし、即導入に踏み切りました。

 というわけで、うちでパソコンベースのHDRに移行した理由のポイントは

 1.AudioとMIDIの一元的な操作&データ管理

 2.将来的なデータの互換性

 3.ソフトウェアのバージョンアップにより機能アップが望める

 4.QuickTimeMovieによるMA作業の可能性

 5.現場作業員は私一人だけなので、私が理解して使えればオッケーだった

 というところかな?

 また、導入時にはさほど考えてなかったのですが、この頃から映像屋さんではAvidなどのパソコンベースのノンリニア編集システムが、導入される事が多くなって来たのですが、そう言ったシステムへ手軽にデータを持ち込めるのも、パソコンベースで作業する事による大きなアドバンテージだと思います。

99.11.26

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