オーダにてジャンク再生! Fernandes STJ-75 |
掲示板の方へ、フロイド付きのギターを譲っていただけませんか?と、"ギタ製作高校生"さんから書き込みがありまして、うちの部屋にころがっているジャンクの中から、再生してお譲りする事となりました。
上がそのギター。フェルナンデスの STJ-75 です。部品取りに買ったジャンクなのですが、そのジャンクの理由は・・・・
この手のコンコルドヘッドには良くありますが、ヘッドが割れており、ネジ止めされております(^_^;)。手持ちで同じ、STJ のネックがありまして・・・・
こっちのネック交換すれば、とりあえず使えるようにはなるよなぁ・・・とは思っていたのですが、手つかずで部屋の片隅で埃をかぶっておりました。
ギタ製作高校生さんと何度かメールのやり取りをした結果、この割れている方のネックで行きたい、と言う事になり、この割れたヘッドを少し見栄えを良くする事にいたしました。
まずネジを外してみた所、けっこうがっちりと接着してあります。接着がすぐ剥がせるようだったら、タイトボンドで改めて接着しなおうそうか?と思っておりましたが、これはそのままですねぇ。
接着位置が微妙にずれておりまして、つなぎ目には段差もあるし、バインディングはずれたままになりますねぇ。
しっかりと接着はされているものの、将来的な強度の面から、ネジは打っておくことにし、ネジを目立たないように埋める作業をする事にしました。
ヘッドを万力で固定しておいて、作業開始でございます。
ネジ穴の入り口をドリルで広げて、ネジ頭が内部に収まるように、穴を加工。これで2本のネジのうち平らな部分のネジの頭は、完全に奥まで入りましたが、角の所のネジは、なかなか奥まで入れられませんでした。で・・・
ネジの頭をぎりぎりまでヤスリで削って、小さくいたしました。
上の様な状態。
今度はこれの穴を埋める作業です。
まずはエポキシですね。今回は黒の塗料を少し混ぜてみました。
塗料を混ぜたせいで、固まるまで時間がちょっとかかりましたが・・・・
まぁ汚いですが、上の様な感じになりました。
ここからは、サンディングシーラー、黒のラッカー、クリアと通常の塗装のように塗り重ねました。
(と、さらっと一行で済ませましたが、ここが一番時間がかかりましたねぇ)
そして、ペーパーで水研ぎ・・・
上はペーパーの途中です。けっこうこの段階できれいに平面にするのが難しく、クリアを乗せては水研ぎ・・を何度か試行錯誤・・・。
で、コンパウンドで磨くと・・・・
ん〜、私の腕だとこんなもんですねぇ。塗料の質も違うし、元の部分は年を経ているので、どうも上手くつながりませんが、ネジが出ているよりは、いくらかましかなぁ〜?(^_^;)
接着部分の継ぎ目も、一応黒ラッカーとクリアを、爪楊枝を使って埋めました。
ん〜、ペグ付けて弦張っちゃえば、遠目にはわからないかな?(^_^;)。
ついでにボディーもけっこう傷だらけだったのですが、大きく塗装がかけて、木の色が見えている所は、同様に補修いたしました。
これも近くで見るとあきらかに補修しているのがわかりますが、遠くから見ればごまかせるかな?黒だったのが不幸中の幸い!(^_^;)
さてそれではパーツ類です。まずはブリッジ。
元々ついていたのは上の様な状態。フェルナンデスの FRT-4 。うちでは丸加スペシャル4号機の元になったフェルナンデスの FR についていたものと同じですね。しかし状態はかなり悪いです。ネジやインサートブロックに欠品もありますが、何よりほとんどのネジ山がダメな状態でした。
今回のジャンク再生においては、なるべく安く仕上げるために手持ちの部品やパーツだけで行う、というのも一つの目的でして、幸いブリッジパーツは手持ちのものでなんとか使える状態まで持って行きました。
あら、きれいになりました!(^_^;)。ネジ類はほとんど交換しましたが、サドルやプレートはそのままです。
電気系は・・・・メールで相談の結果、フロントにはフェルナンデス製のシングルサイズハムを、リアはそれとバランスの取れそうなハムバッキングをおまかせで、センターにはシャキシャキのシングルコイルを、と言う事になりました。
リアは、以前ピックアップ聞き比べ大会で試した、No Brand だけどけっこうハイパワーながら、高音もそこそこ出るものを付けました。センターは手持ちのノーブランド品で、4.5kΩほどのビンテージ系のものを付けました。全部国産のピックアップですが、そこそこ良い音がするものを乗せたつもりでおります。(^_^;)
このボディーは、ミニスイッチが3個で、それぞれを on / off する様な仕様でしたが、"ギタ製作高校生"の要望で、レスポールのスイッチを付けて、通常は、フロント-フロント+リア-リア、というレスポール仕様にして、ミニスイッチでセンターオンリーに切り替わるように、となりました。さらに穴がもう一つあるので、フロントとリアのハムをシングルにタッピングするスイッチも付けました。
スイッチ類も手持ちのもので済ますってことで、通常ギターに使われるミニスイッチよりは少し大きめのものを用いました。
レスポール用のスイッチは手持ちであったのですが、スイッチレバーのキャップがありませんでした。上の黒いキャップは、一応ストラト用なんだけど、変な形のやつがあったので、穴を空けて差し込みました。
てなわけでパーツを取り付け、弦を張ってみました。
ん〜、ネックはこちらで正解かも!握りは太めですが、弾きやすく、鳴る感じです。STJ-75 という型番からして、7万円クラスでしょうから、そこそこ良い材と仕上げで、高級感もあります。
フレットはかなりのジャンボ、ジムダンロップの #6000 に近い太さと高さかな?ただ、所々減ってる所が見られたので、擦り合わせをする事にしました。"ギタ製作高校生"さんは、かなり低めの弦高をご所望でしたので、がんばらないとね。
さらに、いつも自分のギターだと、どうせ弾いているうちに角が取れてくるのであまりちゃんとやらない作業・・・・
フレットの頭を丸める作業を手作業で行いました。
それと、
このギターの入手時にテンションバーはついていなかったのですが、取り付け穴が空いておりましたので、一応手持ちのものを付けました。
ネックはロッドもちゃんと効く状態でしたので、調整して・・・
弦高は、1弦12フレットで、ミディアムの丸加ピック1枚分くらいまで下げられました。弦はご希望の 009-042 を張り、ニュートラル&オクターブ調整をいたしました。
ボリュームとトーンには、最初黒のメタルノブを付けておりましたが、"ギタ製作高校生"さんに手持ちのつまみを見ていただいた所、
GrassRoots についていた、レスポールっぽいプラスチック製のもになりました。
で、いよいよ完成で〜す!!
傷はいっぱいありますが、楽器としては十分使えるものになったと思います。
いや〜、手放すのがちょっと惜しいくらいの(私的にはね)仕上がり?!
バインディング入りのネックにジャンボフレット、ジャクソンディンキースタイル?ながらもネックの仕込み角があって、ブリッジがボディーから高い位置にあるのは、私の好みですねぇ。
肝心の音は以下の通り
歪みで
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クリーンで
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なかなか良いでしょ!このボディーはブリッジ下にザグリはないんだけど、ネックの仕込み角がけっこう付いているので、アームアップもかなり出来ます。 |
なんだかんだと、ひと月以上、作業にかかってしまいましたが、お別れでございます。手をかけたギターには愛情がわいちゃいますけど・・・、今回は私にとっては、初のオーダー品ですので、慎重に梱包。
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段ボールの隙間には新聞紙をいっぱい詰めました。
で、無事"ギタ製作高校生"さんの元へ届き、なかなか気に入っていただけたようであります。
こうやって、部屋にころがっていた手持ちのものだけで、ちゃんと楽器になり使ってもらえるのは、ありがたい事ですね。ギターやパーツも喜んでいる事でしょう。
メデタシメデタシ〜!
ん〜?もう1本くらい作れるものが、ころがっているような、いないような・・・・・(^_^;)
2011.03.16