年末に持ち込まれたギター達

 

 

  年末に、手放したいギターがあるのでみて欲しい、と持ち込まれたギターが3本。あら〜、どれも私には縁のなさそうな高級品ばかりです。この機会にテストしてみましょう・・とは言っても、恐る恐るしかさわれませんけどね!(^_^;)。

 まず1本目は・・・アコギ!

 Gibson の J-45 ですねぇ。こわいこわい、傷つけないように触らないと・・

 まず手にして感じるのは、軽い〜!そしてちょっと弦を弾いてみると、すごく大きな音がサウンドホールから出てきます。アコギ素人の私ですが、これは良さそうなギターですねぇ。

 これといって不具合らしきものはないので、ほこりを払って簡単な清掃と、弦の張替えだけですね。

 ブリッジ周りを清掃していたら、アンダーサドルにピエゾが入っていますねぇ。聞いたところ、後から楽器屋さんで仕込んでもらったようです。エンドピンのジャックにケーブルをつなぎミキサーに立ち上げていると・・
 プリアンプが入っていない、ピエゾ直の出力のはずなのですが、あら〜、すぐ使える音がしますねぇ。どこのメーカーかしらねぇ?とっても優秀なのであります!

 ということで、GIBSON J-45、終了です。

 


 さてお次は・・

 Fender U.S.A. のストラトであります。

 なぜかヘッドのロゴは消されておりますが、

 

 サドルには、Fender の刻印があり、イモネジもインチ規格です。アームの穴は、シールで塞いであります。

 取り外されてハードケースに入っていたバックパネルには、フェンダーの同じ弦を使ってくれとの表記がありますが、手持ちの安い弦に貼り替えます。(^_^;)。


 音出ししてみると、レバースイッチなどにちょっとガリ、金属パーツもくすんでいるので、ちょっと磨きましょうかね。

 中を開けてみると・・・

 各工程の作業した人のサインが入ってます。2006年製のようです。

 レバースイッチは中の接点に洗浄剤をスプレーして動かしてやったら大丈夫なようです。

 ペグも柔らかい布で少し磨いてやると、ちょっと光出しました。

 フレットは低フレット側に多少弦痕がありますが、まだまだ大丈夫でしょう。

 で、音はどうよ?と試し弾きをしましたが、私がストラトが得意でないせいもあるのでしょう。真っ当なシングルコイルのストラトの音がしてますが、それ以上でも以下でもないかなぁ〜、という印象です。以前に色の塗り替えをしてブラッキーもどきにした、SELDER のストラトもそこそこ良い音してましたからねぇ。ただ、作りはしっかりしていて、サスティーンブロックなども頑丈そうなのが付いてますし、ワンピースのメイプルネックですので、良いギターだと思いました。

 


 そしてお次は、こんな機会でもなければ、私は一生触ることのないギターです。

 リッケンバッカーの300系のどれかだと思いますが・・・あまりにも個性的ですねぇ。その変わっているところをいくつか検証です。

 セミアコボディーにギブソンスケールなのですが、スルーネック構造です。

 ネックの指板はローズなのですが、クリアの塗装がされています。

 ピックアップも独特ですねぇ。

 P-90 タイプ?というよりは、モズライトとかの系統でしょうか?

 ピックガードは2重構造。

 コントロールは、GIBSON 系に似てるけど、なんの表記もない、小さなボリュームが付いています。

 ブリッジのオクターブ調整のネジは、インチの六角です。ブリッジの高さ調整も2本の六角ネジで、傾きも調整できるようになっています。

 ネットで情報を漁ると、トラスロッドが2本入っている!ということでロッドカバーを開けてみると・・

 確かに!ねじれも調整できて良さそうではありますが、これは怖くていじれませんねぇ。さらに・・

 アウトプットが2つあって、片方が"STANDERD"、もう一方が"RICK -O- SOUND"と表記があります。はて??

 これもネットで漁ると、"RICK -O- SOUND"の方は、フロントPU とリアPU を別々に出力できるステレオアウトのようです。

 さっそく両方のアウトの音を検証。まずはスタンダードのアウトに普通にシールドをつなぐと、PUセレクター上側で、Bassの Tone と Volume が効きます。そして謎のつまみをあげると音が大きくなります。この時なっているピックアップは、フロントとセンター。PUセレクターが下側、リア側だと音が出ません。

 そのままシールドをRICK -O- SOUND"に繋いでみると、リアしか音が出ない。謎の小さいボリュームも効きませんねぇ。アレェ〜、めんどくさい仕様だなぁ・・、とまたネットを漁っていると、回路図を発見!

 ふむふむ、"RICK -O- SOUND"のアウトは、ただステレオ仕様のフォーンジャックになっていてフロントとリアをステレオケーブルで取り出してるだけですねぇ。スタンダードの方は、スイッチ付きのモノラルジャックで、こっちだと普通にギブソンタイプで使えるみたい。

 ということは・・

 ステレオの先が二股フォーンになっている、上のようなインサーションケーブルを使えば良いみたい。で、さっそくミキサーに立ち上げてみると、ハイハイ、二つのアウトプットからちゃんと別々に音が出ました。

 この2つのアウトを別々のアンプに繋いだりして使うことを想定してあるようです。足踏みスイッチで切り替える外付けのボックスもあったようですが、現在は手に入らないとか。でもこれなら簡単に自作できそうな気もします。

 と、やっていると、いつの間にかスタンダードのアウトから、フロントもリアも音が出るようになりました。ジャックのスイッチ部分が接触不良だったみたいですね。ジャックを外して清掃してやったら、調子がよくなりました!

 で、表記のない小さなつまみのボリュームですが、これも回路図を見ると、フロントのボリュームに直列にもう1つボリュームが入っているだけのようです。つまり、音が大きい状態が普通のボリューム"10" の状態で、小さなつまみで"10"にならないように、音量を下げておける、というプリセットボリュームみたいなもののようです。
 「フィフスコントロール」という呼び名だそうです。確かにリアよりもフロントの方が、弦の振動が大きいので出力は大きめになりますが、もともと2ボリュームなんだから、あんまり必要ない気もしますが・・・。(^_^;)。

 

 アウトプットも正常になったことで、これといった不具合もないようなので、例によって清掃、パーツ磨きなどをいたしました。

 リッケンバッカーの音を聞く機会もそうないでしょうから、音も載せちゃいますね。比較対象は・・、あまり適当なのがないので、S-Hの丸加スペシャル2号機にしましょうかね。こちらは、フロントが Dimarzio Chopp リアが GIG MAX であります。

リッケンバッカー
丸加スペシャル
初号機
リア

ハムバッキング

 

GIG MAX

フロント
フロントセンターのパラレル
Fifth Control 最小

  Dimarzio Chopp

フロントセンターのパラレル
Fifth Control 最大

リア→ミックス→フロント
と、順に切り替え

 こうやって録音したものを聞いてみると、音色的には、私の好みではあるのですが、パワーはないですねぇ。それとボディーがセミアコなので、やはり弦がなっている音が手元から耳に入って来ますので、ギンギンに歪ませてソロとかを弾く感じではないです感じかなぁ・・・。

 いや〜、2018年の締めくくりに、いいものを触らせていただきました。

 2019.01.12


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